『マイクロインタラクション』という本を読んだ。原題は「Microinteractions」。
マイクロインタラクションは、最小単位のインタラクション。ひとつの作業だけをこなすための機器と人間とのやりとり。人による操作やその結果生じるフィードバックなど。
UIのディテールをほんの少し工夫するだけでUXは劇的に改善します。本書では効果的なマイクロインタラクション――ひとつの作業だけをこなす最小単位のインタラクション――の意味、有効性、デザイン手法を学びます。マイクロインタラクションを「トリガー」「ルール」「フィードバック」「ループとモード」に分解して豊富な実例とともにていねいに解説し、さらにプロトタイプやドキュメント作成、テストといった実践的な手法も紹介します。マイクロインタラクションを活用すれば、ありふれた製品も顧客を引きつける魅力的な製品に生まれ変わらせることができます。ドナルド・ノーマン推薦書!
O'Reilly Japan - マイクロインタラクション
興味深い点などをピックアップしておく。
マイクロインタラクションは製品購入の理由となるようなものではない。しかし、細部こそが製品を作り上げる。
マイクロインタラクションの設計・開発は後回しにされがち。
質が問題にされないマイクロインタラクションもある。
マイクロインタラクションは、複雑化・断片化した現代人の生活と親和性が高い。カジュアルゲームはマイクロインタラクションが集まってできている。
インターフェースのモードを減らす。
マイクロインタラクションが注目されるとき。
マイクロインタラクションの構造。トリガー (マイクロインタラクションを開始するきっかけ・操作など)、ルール (動作・処理内容)、フィードバック (何が起きたかをユーザーへ知らせる)、ループ (繰り返し処理) とモード (別の処理をするための脇道)。
たったひとつの得意技を磨き上げる手法。実用最小限の製品。ひとつのマイクロインタラクション=製品。
マイクロインタラクションをベースにしてまとめ上げる手法3つ。
メトロカード自動販売機の待ち受け画面。画面全体がトリガー。[Start]ボタンは単なる目印、見せかけのシグニファイア。
Vine Linux などではスリープから復帰する画面で他の人が「メッセージを残す」をクリックして伝言を残せる。
Apple Mac OS X Moutain Lion で復活した「別名で保存」機能がひどい。
スロットマシンのフィードバックは人の心を操る。
スロットマシン側が得するように操作されている。偏ったランダム。
「もう少しだったのに…効果」を出すよう設計されている。もう少しで勝つという経験は、(実際には勝っていないのにもかかわらず) 勝つことによって刺激を受ける脳の部分を活性化させ、人をさらにギャンブルに駆り立てる。
イヤコン (earcon)。短い音によるフィードバック。
ロング・ワオ (The Long Wow)。ある程度の期間使い続けることで体験できる新しい使い心地や機能。
ユーザーがパッと見て、モードがONになっていることがわからないようなものは危険。
モードを設けなければならない場合は、できればそのモード専用の画面を用意する。短い操作ならバネ仕掛けのモード [spring-loaded mode] (shift キーを押しながら操作するような特別なモード) などが利用できるかも。
ループ。
小さな視野で考えよう。
マイクロインタラクションは『お・も・て・な・し』
著者はこの本で「認知的ウォークスルー」の手法をさらなる高みへと導いた。
システム全体よりも、瞬間、瞬間に心を砕いてデザインすることの強みを例証し、インタラクションを定義するための新たなモデルを創造したのだ。
Amazon.co.jp: マイクロインタラクション ―UI/UXデザインの神が宿る細部: Dan Saffer, 武舎 広幸, 武舎 るみ: 本
- ref.
- O'Reilly Japan - マイクロインタラクション
- Amazon.co.jp: マイクロインタラクション ―UI/UXデザインの神が宿る細部: Dan Saffer, 武舎 広幸, 武舎 るみ: 本
- マイクロインタラクション - Ig 商品検索
tags: book ui
Posted by NI-Lab. (@nilab)