「デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス」という本をざっくり読了。複数のデバイスによるエコシステム的な話。

Googleの現役UXデザイナーである著者が、複数のデバイスにまたがるUXをどのようにデザインすればよいか、独自の「3C」(Consistent、Complementary、Continuous―一貫性、補完性、連続性)フレームワークに基づき解説。大手からベンチャーまで、さまざまな事例が取り上げられ、現状のみならず将来を見据えた視点から書かれている。

Amazon.co.jp: デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス ―デバイスの枠を超えるUXデザインの探求: Michal Levin, 青木 博信, 大木 嘉人, 笠原 俊一, 瀬戸山 雅人, 矢野 類子: 本

興味深かった点をいくつかピックアップしておく。

マルチデバイス体験をデザインするための3Cフレームワーク。一貫性 (Consistent) 、連続性 (Continuous) 、補完性 (Complementary) 。

デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス ―― デバイスの枠を超えるUXデザインの探求
nilog: 3Cフレームワークでマルチデバイス体験をデザインする。 一貫性(Consistent)、連続性(Continuous)、補完性(Complementary)。 デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス (2015-06-01)

一貫性 (Consistent) のある体験を最適化するためには、デバイスによる違いを知る必要がある。スマートフォン、タブレット、PC、テレビの比較表が参考になる。また、OS (iOS/Android等) に合わせた最適化も必要。

デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス ―― デバイスの枠を超えるUXデザインの探求
nilog: 一貫性(Consistent)のある体験を最適化するためには、デバイスによる違いを知る必要がある。スマートフォン、タブレット、PC、テレビの比較表。 デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス (2015-06-01)

補完性 (Complementary) 。セカンドスクリーン体験を構築。タブレット端末はテレビを見ながら使われることが多い。

デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス ―― デバイスの枠を超えるUXデザインの探求
nilog: タブレットはテレビを見ながら使われる。セカンドスクリーン体験。 デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス (2015-06-01)

Pad Racer というゲームでは、iPhone がハンドルになり、iPad がコース表示になる。これも補完性。

連続性 (Continuous) 。シームレスなコンテンツ消費 (スマホで観ていた映画の続きをパソコンで見る等) や、特定のタスクを完了するためのワークフローを複数のデバイスで順番に処理する等。

Nike+ や Pebble Watch など、ウェアラブルなデバイス連携の話もあり。

アプリケーション開発はいまやスマートフォン、タブレット、テレビでの使用も考慮して設計する必要があります。
本書ではGoogleの現役UXデザイナーである著者が、複数のデバイスにまたがるUXをどのようにデザインすればよいか、独自の「3C」(Consistent、Complementary、Continuous―― 一貫性、補完性、連続性)フレームワークに基づき解説します。
大手からベンチャーまで、さまざまな事例が取り上げられており、それを参考に実際に試して自分のものとして取り入れることもできるでしょう。
また、現状のみならず将来を見据えた視点から書かれており、今後のウェアラブルデバイスやモノのインターネット(IoT)といった時代をにらんだ本質的な議論は、非常に有益です。
将来の方向性まで示してくれる一冊です。

Amazon.co.jp: デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス ―デバイスの枠を超えるUXデザインの探求: Michal Levin, 青木 博信, 大木 嘉人, 笠原 俊一, 瀬戸山 雅人, 矢野 類子: 本

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