担当クラスの入学式に出席しようが、自分の子どもの入学式に出席しようが、そんなのその教師個人の自由だろう。選択の自由がない日本の教師。教育者に自由がなくて、生徒はこの国にどんな希望を持てるというの。

これをおかしいと思うのは古いのだろうか。

埼玉県の県立高校で、新入生のクラスを受け持つ担任教諭が入学式を欠席し、息子の入学式に出ていた。同様の理由で担任不在だった入学式がほかの県立高校でもあり、県教育長は校長会で新入生や保護者に不安を与えないよう指示した。


家族は大切だ。どうしてもという事情があったのかもしれない。しかし、教職者だからこそ優先すべきことはあるはずだ。多くの教員に、改めて重い職責を認識してもらいたい。

50代の女性教諭は、息子が入学する高校の式と重なったことから入学式を欠席した。校長らに相談のうえ事前に休暇願を出して認められていた。

校長は入学式の担任紹介で「子供の入学式のために欠席」と説明した。教諭は「大切な日に担任として皆さんに会うことができないことをおわびする」などとした文書をつくり、副担任らが生徒や保護者に配ったという。

【主張】担任の入学式欠席 教師が優先すべきは何か+(1/2ページ) - MSN産経ニュース

古いんだよ、と言ってあげたい。人は自分の生きてきた時代が『普通』だと思っている。新しい時代のことは否定する。

「生徒への責任を考えると、自分の子供の学校行事や参観にはほとんど行けず、寂しい思いをさせてきた。熱を出した子供を、近所に頭を下げて預けて、仕事を優先することもあったが、それも自分が教師という職業を選んだ以上、仕方がないと思っていた。今回の一件を聞くと、教師の責任感が薄っぺらになってしまったように思います」

入学式欠席教師問題 理解できるが批判、苦情を倍近く上回る (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース

これは60代の元教諭の話。自分が苦労したんだから、お前も苦労しろ、というように聞こえる。これも古い人の古い意見。

自分の子どもよりも担当クラスを優先する、という考え方はどうやら高齢者に多いようだ。

埼玉県教委に電話やメールで寄せられた意見では、「女性教諭への理解」が44%と、「批判や苦情」(23%)を倍近く上回った。ネット上の意識調査でも、「問題だと思わない」という意見が半数近くを占め、「問題だと思う」よりも多数派となっていた。

入学式欠席教師問題 理解できるが批判、苦情を倍近く上回る (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース

尾木ママには失望した、ほんとに。ふだん良いことを言っている人だと思っていたから。この人も年齢は60歳代。

「公務員として教師の職業倫理は警察官などと同様、高くあるべきです。東日本大震災で、防災無線で最後まで避難を呼びかけ続けて、津波で亡くなられた町職員や、避難誘導で犠牲になった警察官の方がおられましたが、教師とて同じことです。そんなとき、自分の子が心配だからと帰るわけにはいかないんです」

入学式欠席教諭批判の尾木ママ「僕が古くなっちゃったのか」 (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース

他の職業では高い倫理観は不要らしい。じゃあ、とりあえずいま作っているWebサイトの脆弱性を塞がなくたってどうってことないや、大事なネットバンキングのシステムだけど、とかね。

「最近は大学の入学式に親がついていくことも増えましたが、背景には子離れできない親の現状があります。この担任だって、子供も高校生ですから、教師という仕事の重さをいって聞かせればわかる年齢のはずなんです。でも、そういうと“親が息子の入学式に行くのは当たり前”の一点張りで批判されちゃう。僕が古くなっちゃったのかなァ……」

入学式欠席教諭批判の尾木ママ「僕が古くなっちゃったのか」 (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース

仮に、この教師たちの子どもの入学式というのが、小学校の入学式だったら議論の中身は変わっていたんだろうか。

調べてみたら、小学校の入学式もあったらしい。

4人はそれぞれ別の勤務先の入学式を欠席し、自分の子どもの小中高校の入学式に出席した。うち3人は女性教諭。残る男性教諭は子ども2人の入学式が重なり、妻と手分けをする必要が生じたためだという。

いずれも事前に校長に相談して有給休暇を認められており、手続き上は問題がなかった。

ところが、教諭が欠席した入学式に出た埼玉県議がフェイスブックに「簡単に職場を放棄する態度には憤りを感じざるを得ません」「権利ばかり言う教員はいらないのではないのでしょうか?」などと書き込んだことから、地元紙が報道。この記事がネットの「Yahoo!ニュース」にアップされて拡散した。

ネットユーザーの意見を募る同サイトの意識調査のページには、「担任が『息子の入学式』で欠席、どう思う?」との設問が登場。22日夕までに35万票近い投票があり、「小保方リーダーの会見に納得?」に約10万票差をつけた。結果は「問題だと思わない」が48%で、「問題だと思う」が44%。擁護派と批判派はほぼ拮抗(きっこう)している。

情報番組や週刊誌も相次いで特集を組んだ。その両方で批判派の先頭に立ったのが“尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹さん(67)だ。「思いとどまらなかった教諭も、説得できなかった校長も責任は重い」

担任が入学式欠席、我が子の式へ 議論沸騰、割れる賛否:朝日新聞デジタル

老害は邪魔をしないで欲しい。この人たち自身には未来は無いのだから。

「家族を大切にするいい先生だということがわかっていい。自分の子供をこれだけ大切に思うのだから、生徒は自分たちのことも大事に思ってくれると感じるのではないか。こんな先生に教わりたい」

入学式欠席教師問題 理解できるが批判、苦情を倍近く上回る (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース

選択の自由がない教師を見て、こんな大人になりたいと、こんな日本の社会で生きていきたいと思うだろうか。学校は社会の縮図。日本には選択の自由があるように見えて、社会が自由を許さない。

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Posted by NI-Lab. (@nilab)