昨年度に、窃盗や器物損壊、公然わいせつなどの容疑で山形大学の学生が7人逮捕されたらしい。

山形大は15日、授業を3日連続で休んだ学生に電話をかけて欠席理由などを確認する取り組みを始めると発表した。

親に連絡する場合もあるという。同大生の逮捕事案が昨年度相次いだための措置だが、「過保護」という声も出ている。

3日連続休むと学生に電話する大学…逮捕相次ぎ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

このニュースけっこう話題になっているようで、朝の情報TV番組「とくダネ!」では「最近のワカモノはなっていない」的なニュアンスで紹介されていた。司会は「こどもじゃないのに?」とか「自分の学生のときは云々」とかいかにもな感じのコメントしか出してなかった。

読売新聞の記事を読んだときは自分も「いまどきのワカモノは」的なニュアンスの記事かなと思ったけど、Twitter で指摘してくれる人がいて、よく見たらちょっと見方がかわった。

昨年度、窃盗や器物損壊、公然わいせつなどの容疑で7人の同大生が逮捕された。大学では、「授業に出席する」というルールを守らせることが規範意識の向上につながると判断した。小山清人副学長は「昔の大学ならあり得ないが、時代が変わった」と話している。

3日連続休むと学生に電話する大学…逮捕相次ぎ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

副学長は「昔の大学ならあり得ないが、時代が変わった」と言ったとのこと。

昔はどうだか知らないが、学生に逮捕者が出たら学校の責任……とまではいかないにしても評判は良くなさそう。

逮捕者が出れば学校の信用に関わる。会見開いて謝罪する必要が出てくるかもしれない。だから学校のために対応できることをする。こういう対応をしていると親にアピールできる。学生を集められる。国立大学も法人化で生き残りをかけてがんばっているということなんだろうか。副学長のいう「時代が変わった」というのは、そういうことなのかもしれない。

そこで、日本の国立大学についても、こうした不都合な点を解消し、優れた教育や特色ある研究に各大学が工夫を凝らせるようにして、より個性豊かな魅力のある大学になっていけるようにするために、国の組織から独立した「国立大学法人」にすることとしたわけです。

法人化後の国立大学では、いろいろなことが自分で決められるようになりますが、引き続き、国民の税金に支えられていくことは忘れてはいけません。国立大学法人制度では、大学の外の人が大学運営に参加することにするなど、大学運営の透明性を確保するための仕組みを導入しましたが、各大学が自己責任の重さをきちんと認識して、積極的に情報を発信し、国民の理解と信頼を得られるような国立大学になっていくことが期待されています。

Q1 なぜ国立大学を法人化することとしたのですか。:文部科学省

そんなことを考えていたら、「いまどきのワカモノ論」よりも「逮捕者が出たらセンセーショナルに煽って大学の評判を地に落とすような報道機関に対抗するための防衛策」のようにも見えてきた。とくダネ!みたいな番組とかね(ゝω・) 「時代が変わった」というのは、マスコミが学生の不祥事を大学側の責任と見做して過激に報道するようになったということを言いたいのかもしれないなとか。

新聞記事だけから読み取れるのはこんなところだろうか。

# 蛇足: そもそもいまどきのワカモノは的な話にするなら、学生運動してたころの学生なんてどうなのよとか、まあいいや。

tags: education business

Posted by NI-Lab. (@nilab)