DoCoMo F905i でmixiアプリ。

恋する私の王子様 for mixi

恋する私の王子様 for mixi

2009年10月27日に iPhone 3GS にて撮影。

「私のヒロト君に癒して貰わなくちゃ」

師走のなか忙しく働くビジネスマン・ビジネスウーマンがこんな風につぶやきながら、携帯電話を手にとる。その正体は、最近女性で人気を集めるmixiアプリ『恋する私の王子様』だ。

今年登場したmixiアプリを手にして色々と楽しんでいる人は多いのではないか。漢字や英単語の知識をマイミクと競ったり、牧場を運営したり、自分の街を作って育ててみたり、マイミクに通信簿をつけてみたり……。何だかmixiアプリでとても忙しくなった気がする2009年だ。

そんな中、モバイル版のアプリとして登場したのが、この『恋する私の王子様』。このアプリは、ときめきメモリアルに代表される恋愛シュミレーションゲームで、ドラマのような恋愛を実際に体験しているかのような気分になるのだ。

リリース元のベクターのウェブサイトをのぞいてみると、以下の説明が書いてある。

「学園のイケメン王子様たちと、甘くて思わずドキっとしちゃう恋人コミュニケーションを楽しめる、女性向け恋愛ソーシャル・ゲームです。意中の王子様(カレ)と親密度が高くなると、人気声優が甘いセリフで囁いてくれます。学園を舞台に繰り広げられる、ハラハラドキドキの恋体験をお楽しみください」

そう学園のイケメン王子様と恋をしていくというもの。自分の名前(mixiネーム以外でも可能)を設定でき、恋の進展度に応じて、それぞれ自分の好みの王子様が甘いセリフを囁いてくれるのだ。リリースされた10月27日から約一カ月弱、個人的にも一ユーザーとして楽しんできたが、これがなんと、徐々に深いツボにハマってしまうような、噛めば噛むほど味が出てくるスルメのような、そんなゲームなのである。

周りの知人・友人もハマる人が続出。自分だけの恋愛模様が描かれるため、同じキャラクターを選んだとしても個人差がでてくるところがまた面白い。

「モテるけど、好きになられないの。自分と似てる。切ないな」――こう語る友人は、誰がみても可愛くとてもモテるが、自分が好きになった恋愛相手に好きになってもらえないという悩みをもっている。このアプリ内では、マイミクの王子様のところに遊びにいくことができる。遊びに行った際に、その遊びに行った相手のスキ度、また、自分のモテ度に応じて、その王子様が反応を示してくれる。
モテ度がマックスになっているその友人は、他人の王子様のところに遊びにいっても、頬を赤らめて甘い言葉をかけられるようだ。

ちなみに、編集部の私はスキ度3・モテ度4。一カ月、毎日のように王子様に会いに行っても、ファーストキスはおろか、未だ恋人にもなれず。それでも、お昼時に、「こうやってランチ一緒に取ってるとさ、なんかカップルみたい……だな」なんて言われたら、ゲームだとわかっているのに何だか嬉しいもの。

じわじわ楽しくなってくるゲーム。そもそも、制作の狙いはどこにあったのだろうか。担当者に問い合わせてみると、以下の回答が返ってきた。
「女子学生やOL、子育てをされている主婦の方など、普段ゲームをしない方でも楽しんでいただけるよう、公式サイト版以上に、mixi版ではシンプルなゲーム性を意識しています。
ひとりでも楽しめ、マイミクと一緒だとより楽しめるというバランスを目指しています。
また、続々配信されるイベントが際立つよう、mixi版独自の物語設定などコンテンツ面にも力を入れています」

mixiアプリ『恋する私の王子様』にハマる女性が続出のワケ(エキニュー恋愛総研) - エキサイトニュース
 「365日、24時間好きな男のコと一緒に過ごしたい」とか、「都合のいい時だけ会いたい」とか、乙女たちは心の中にワガママな希望を秘めている。生身の男のコにはとても言えない自分勝手な要求を叶えてくれる王子様は、携帯電話の中に住んでいる。

 先にFlashによるブラウザゲームとして携帯電話向けにリリースされた株式会社ベクターの「恋する私の王子様」(以下、ブラウザ版)は、王子様たちとラブラブな恋物語を満喫するゲームだった。簡単な操作で600話以上の恋物語が楽しめるほか、石田彰、鈴村健一ら豪華な声優陣による恋人からのささやきや、男の子を言いなりにする執事イベント、キスをおねだりするイベントまで用意されている。多彩な上に、やりたい放題に王子様と恋愛できるのが「恋する私の王子様」の魅力だった。

 そんな「恋する私の王子様」に、新たにmixiモバイル版「恋する私の王子様 for mixi」(以下、mixi版)が登場した。mixi版最大の特徴は、マイミクシィ(以下、マイミク。本稿では「恋する私の王子様 for mixi」を登録して遊んでいるマイミクシィのみを指す)と連動して遊ぶソーシャルゲームになっているという点。通常“私と男の子”との閉じた世界である乙女ゲームに、マイミクというリアルな友人の存在を絡めた、乙女ゲームの新たな地平なのかもしれない。157万人(3月1日現在)もの乙女たちが夢中になるという、このゲームを体験してみた。

■ 王子様との自然な会話で学園生活を満喫

 ゲームの進め方は簡単。学園で人気を集めるカッコイイ男の子“王子様”たちから1人を選んでゲームを開始し、画面上にある「ラブボタン」を押すだけ。ボタンを押すと、王子様がいろんな話をしてくれ、時にはイベントが発生する。王子様がささやく愛の言葉を聞いたり、朝昼晩と違った表情を見せる王子様を眺めたりと、2人の時間を満喫するのがゲームの目的になる。

 選べる王子様は3月1日時点で6名。幼なじみやスポーツ部所属のクラスのアイドル、エリートヤンキー、担任の先生、年下の男の子など身近な存在から、人気ナンバー1アイドルグループのリーダーまで百花繚乱。好きなタイプを選んでスタートすべし。1度選んだ王子様は基本的には変更できないが、アイテムを使用すれば乗り換えも可能なので、繊細かつ大胆に選んでよし。

 ゲーム内の時間は実際の時間と連動しており、朝は「おはよう」、夜は「おやすみ」などの言葉をかけてもらったり、お昼には授業や昼ごはんの話題があったりと、いつラブボタンを押しても違った表情や言葉が楽しめる。もちろんイベントやセリフの数には限りがあるので、特にゲーム初期は同じセリフのヘビーローテーションになってしまいがちだが、諦めずに続けていると少しずつセリフも増えていく。

 昼は制服、夜はパジャマや部屋着とファッションも変化し、夜には王子様の私室が見られるなど、会話以外の部分にも細かな工夫や魅力が詰めこまれている。

■ 「スキ度」と「モテ度」のアップがゲームのポイント

 ゲーム内には「スキ度」、「モテ度」という2種のパラメーターがある。「スキ度」は王子様にどれだけ愛されているか、「モテ度」は自分の魅力度と考えるとわかりやすい。「スキ度」はラブボタンを押すごとにアップし、100ごとに画面上にハートマークが表示される。1日にボタンを押して上がるのは最大10なので、1カ月ラブボタンを押し続けると3個のハートマークが表示されることになる。「モテ度」は、マイミクと互いのラブボタンを押し合った際にアップし、こちらも100ごとに王冠マークの形で表示される、「スキ度」、「モテ度」はアイテムを使用して上昇させることもできる。1度上がった「スキ度」と「モテ度」が下がることはない。

 アイテムの入手方法は大きく2つ。1つは「ガチャ券」を消費して抽選でパラメーターアップ系アイテムを手に入れること。もう1つはショップで購入すること。ショップでは、mixiコンテンツ共通のポイント(315円300ポイント)を使用できる。早く王子様とラブラブになりたい人は、課金してアイテムを使いまくるのが近道だ。

 「スキ度」と「モテ度」を少しずつ上げていくと、王子様との会話やイベントの内容も変わっていく。選択するキャラクターによっても違うが、最初は冷たいセリフや友人、先生としての言葉しか掛けてくれなかった王子様たちが、次第に甘いセリフをささやいてくれるようになる。もちろんプレーヤーを見る表情も変わり、少しずつテレた顔や嬉しそうな笑顔が増えていくのだ。

■ マイミクの存在が、ゲーム世界をさらに広げる

 マイミクが同じゲームで遊んでいるかどうかは、mixi版で遊ぶ上で大きな影響を与える。“私と男の子”との閉じた世界で遊んでも、それなりに楽しいことは楽しいのだが、少しばかりゲーム性が薄い。ブラウザ版は月額料金がかかるが、mixi版はアイテム課金しなければ無料という点を差し引いても、魅力という面ではブラウザ版に軍配が上がってしまう。「ベル」、「キス」ボタンを使ったコミュニケーションや複数の王子を同時攻略できるシステムには心惹かれるし、声優のボイスデータやシナリオの分量なども大きく違っているため、ゲームとしてはブラウザ版の方が完成度が高いのだ。

 しかし、それなりの数のマイミクがmixi版を遊んでいるとなると、大きく話が変わってくる。マイミクがいるとゲームがどう変化するのか、まずはゲームシステム面での話から説明したい。

 アイテム入手方法の1つである「ガチャ」と呼ばれる抽選を行なうには「ガチャ券」が必要になる。「ガチャ券」は週に1回、自動的に配布される。何枚配布されるかはマイミクの数に応じて決まっており、人数が多いほど「ガチャ券」を多くもらえる。マイミクが10人いるから10枚という単純な計算ではないらしいが、マイミクが1人と10人では手に入る「ガチャ券」の枚数が異なってくることは確かだ。

 ブラウザ版では普段から人気声優たちがセリフをささやいてくれるが、mixi版では声優の声を聞けるのはごく限られた場合のみ。「ガチャ」で「称号」を手に入れ、その称号を選んだときにのみ、音声付きのセリフを聞ける。早くゲームを進めたい人、多くの称号を手に入れたい人にとって、「ガチャ券」の入手はゲームを楽しむのに重要な要素になるだろう。

 「モテ度」アップにもマイミクの存在が必要不可欠だ。ブラウザ版では「モテ度」アップのイベントが用意されているが、mixi版には存在しないため、「モテ度」アップにはマイミクとの相互協力か、アイテムの使用しかない。「モテ度」アップを目指し、積極的にマイミクの王子様を訪問しよう。

 自分が選ばなかった他の王子様を見られるのもマイミクが存在するプレーヤーならではの特典になる。ブラウザ版では全ての王子様を同時攻略できるが、mixi版は開始時に選んだ1名のみとの関係を楽しむ形式になっている。イベント時にほかの王子が登場することもあるが、普段は没交渉になってしまうため「せっかくたくさんの王子がいるのに」と、寂しい気持ちになってしまうこともあるだろう。そこでマイミクの出番になる。

 マイミクが選んだ王子を訪問し、ラブボタンを押せば、マイミクの王子とも交流ができる。「○○(マイミク名)、今日は見てないんだけど知らない?」と尋ねてくることもあれば、自分の王子とマイミクの王子が会話をする「交流イベント」が見られることもある。条件さえあえば、マイミクの王子が「実はあなたのことが好きだったんだ」と愛をささやいたり、もっとラブなイベントが発生する「(秘)浮気イベント」が見られることもあるという。積極的に訪問して、関係を深めるのがムフフなイベントへと繋がっている。

 マイミクがいない人は、プレイしていない人をゲームに招待もできるし、既にゲームを始めている人とマイミクになることもできる。mixiには公式サポートコミュニティもある。ゲームの話題で盛り上がっているので、参加して萌えを語り合ったり、マイミクを探すのもいいかもしれない。

■ マイミクを通じて見える、さまざまな“愛の形”

 メガネや白衣が大好きな筆者が選んだのは、「ダンディー先生」という、カッコいいのかこっぱずかしいのかよくわからない2つ名を持つ、地学担当で担任の蔵前智光先生。声は小杉十郎太さんが担当する、まさにダンディーな先生なのだ。高校時代、リアルに地学の先生が好きだった事実が王子選びに影響を及ぼしているような気もするが、ここではまったく関係ない話だ。

 ともかくラブボタンを押し続け、ガチャ券や課金アイテムも使って、やっとスキ度3、モテ度6までたどり着いた。頬を赤らめながら「○○くんと電話していたら、もうこんな時間か……すまなかった」とか、「今日は星が綺麗だ。こんな時○○くんがいたら」などと、少し甘いセリフをささやいてくれるまでの関係になれた。が、道のりはまだ長い。恋人同士になれる日を目指して精進を続けたい。

 筆者のマイミクは10名くらい。それぞれの王子を訪問するとさまざまなイベントや会話が発生する。ダンディー先生と生徒たるプレーヤーが一緒に行動しているのだから、同じ学校に通う王子たちは当然「???」という反応をするし、年下の男の子には「年の差カップルですね」的な発言をされてしまう。トップアイドルからは、「ダンディーだから俳優になるといいかも」と、お誘いも受けてしまった。“私と男の子”だけだったはずの世界に別の男の子が入ってくることで、普段は見られない反応が発生するのが見ものだ。同じダンディー先生を選んだマイミクを訪問すると、マイミクを気遣いしつつも筆者へのフォローも忘れないという、ちょっと不思議な反応が発生。邪険にされない配慮に、少しばかりホッとした。

 マイミクと連携して「スキ度」と「モテ度」をアップする“協力”と、マイミクの王子との会話や浮気を狙う“競合”の両方をバランスよく行なうのが、恋愛ソーシャル・ゲームの正しい楽しみ方だろう。その上で、ゲームを通じたマイミクとのリアルな交流も面白い。同じ王子を選んだマイミクに「ダンディー先生ってステキだよね」とメッセージを送ったり、違う王子を選んだマイミクと「どっちの王子がよりステキか」と魅力を語り合うのも楽しい。リアルな恋愛と比較して「こんな人にばっかり恋しちゃうんだよね」などと話ができるのも、恋愛ソーシャルゲームならではのように感じた。

 相当いい年齢になっている筆者のマイミクには、仕事関係で繋がっている人や、飲み会で何度か一緒になった人々も混じっている。「どんな男性がタイプなの」的な恋バナをするほど仲良くもない、薄い繋がりのマイミクの王子様を見た時には「こんなタイプが好きなんだ」とか、「あー、なんだか納得」とか、「ちょっとイメージと違うかも」などの感想を抱いた。選んだ王子様のタイプや、やりこみの度合いなどが垣間見えるシステムには、秘密をこっそり覗き見するようなイケナイ感覚が隠れているようにも思う。この一種の背徳感もmixi版だけの魅力のひとつかもしれない。

モバイルゲームレビュー「恋する私の王子様 for mixi」- GAME Watch

Ref. 恋する私の王子様-KISS TO MY PRINCE-

tags: game mixi

Posted by NI-Lab. (@nilab)