リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす

読書メモ


-リーン・スタートアップ
--トヨタのリーン生産方式の各種概念を応用して企業に取り入れる

-検証による学び (validated learning)
--どうすれば持続可能な事業が構築できるのかそれを学ぶ

-構築、計測、学習のフィードバック・ループを順調に回す
--アイデアを製品にする、顧客の反応を計測する、そして方向転換(ピボット)するか辛抱するかを判断する

-スタートアップはなぜ失敗するのか
--優れた計画やしっかりした戦略、市場調査の活用に目を奪われることが問題。不確実性が大きいスタートアップにこの方法は使えない
--どういう人が顧客になるのか、どういう製品を作るべきかさえもまだわからないのがスタートアップ

-大きく考え、小さくスタートする
--ザッポスは実験からスタートした。靴をオンラインで買う顧客がいるという仮説。近所の靴屋の写真を撮って、ウェブサイトに掲載し販売。
---目的: 靴のオンラインショッピングにおいて優れた体験のニーズが十分に存在するか否かという問いに回答を得る

-全体のグランドビジョンを分解
--価値仮説 (value hypothesis)
---製品やサービスが本当に価値を提供できるか否かを判断するもの
---高精度な答えを得るために、実験を行う
--成長仮説 (growth hypothesis)
---新しい顧客が製品やサービスをどうとらえるかを判断するもの
---アーリーアダプターからどのように広がっていくのか

-挑戦の要 (leap-of-faith)

-実用最小限の製品 (MVP: minimum viable product) を作る
--構築、計測、学習のループを回せるレベルの製品
--最小限の労力と時間で開発できるもの
--影響力の計測が必要
---完成したプロトタイプは社内のエンジニアやデザイナーだけがクオリティを評価してはいけない。見込み客に見せてその反応を見定めること

-もっと高機能なSNSがあったのに投資家がFacebookを選んだ理由
--アクティブユーザーがサイトで過ごす時間が長い
--大学キャンパスへの普及速度が半端ではなかった

-Facebookへの酷評
--ビジネスモデルがない、売上はたいしたことがない

-スタートアップがやるべきなのは、実験を行なって自分たちの条件に適したやり方をみつけること
--成功したスタートアップの成功談から教訓を得るのは難しい
---いくら頭で考えても答えは得られない。いくらでも反証が出せる

-戦略の策定に「類例」と「反例」という枠組み

-iPodの例
--類例: 『皆、イヤホンをして人前で音楽を聴くだろうか』という重要な問いにウォークマンが答えを用意してくれたから、この点を考える必要がなかった
--反例: ナップスター。音楽のダウンロードにお金を払うだろうか。

-トヨタの現地・現物
--自分で行って見ること

-評価尺度の実体は人
--企業を相手にする場合でも、個人が集まって会社ができていると考える
--それぞれまったく異なる多くの人で構成されていると分解して考える

-顧客の原型 (customer archtype)
--ターゲットとする顧客の人間性。どういう人が見込み客で、どういう問題を抱えているか

-リーン・ユーザーエクスペリエンス (リーンUX)
--顧客の原型を事実ではなく仮説だと考える
--顧客の特徴は暫定的なものだと考え、その顧客に対して持続的に対応出来る戦略であることを検証による学びで確認する

-分析のやりすぎはよくないが、やらなければそれもまた失敗する
--いつ分析をやめ、製品開発にかかるべきなのか
--実用最小限の製品 (MVP)

-アーリーアダプターは製品に欠けている点を想像力で補完する
--アントレプレナーは完璧な製品を用意したがる傾向

-動画型MVP
--Dropbox はプロトタイプを作るのが大変なので、技術がどういう感じで動くかを動画で公開。
---技術のアーリーアダプターをターゲットにした動画。
---ベータ版の予約数が一気に増えた

-コンシェルジュ型MVP
--Food on the Table はソフトウェアではなく、最初は人が直接対応することで検証と学びのループを回した。後から処理を自動化

-コホート分析 (cohort analysis): 製品と新しく接する顧客グループの成績を見る
--古い製品の第一印象などを排除できる
--定量的成果が悲惨になった結果、失敗だと宣言せざるを得なくなり、それが定性的な研究を行うモチベーションやコンテキスト、余地を生む。この研究から検証すべき新アイデア(仮説)が生まれ、サイクルが繰り返される
--ベースラインの設定、エンジンのチューニング、方向転換か辛抱かの判断

-スプリットテスト
--異なるバージョンの製品を同時並行で顧客に提供して、行動がどう異なるかを調べて、製品の違いによる影響を推定する

-nilog: ざっくり読んだ。( ゚∀゚)o彡゜MVP! MVP! 構築、計測、学習のフィードバック・ループ。 - リーン・スタートアップ / エリック・リース 〔単行本〕 http://t.co/O8ewHm96 (2012-08-03)
--http://www.nilab.info/nilog/?type=twitter&id=231245971646988288
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書籍情報


-Amazon.co.jp: リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす: エリック・リース, 伊藤 穣一(MITメディアラボ所長), 井口 耕二: 本
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248976/nilabwiki-22/ref=nosim/
--->内容紹介
--->シリコンバレー発 注目のマネジメント手法
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--->リーン・スタートアップとは、新しい製品やサービスを開発する際に、作り手の思い込みによって顧客にとって価値のないものを作ってしまうことに伴う、時間、労力、資源、情熱のムダをなくし、時代が求める製品・サービスを、より早く生みだし続けるための方法論です。
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--->■新しいことを始める人すべてが起業家
--->著者自身が、起業で失敗を重ねる過程で得た考え方ですが、それは会社を興す人にかぎらず、企業や組織のなかであっても新しい事業を始めようとする人にも役立ちます。本書のなかでも、「スタートアップとは、不確実な状態で新しい製品やサービスを創り出さなければならない人的組織であり、そこで働く人は皆アントレプレナー(起業家)である」と語っています。
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--->■「構築―計測―学習」のフィードバックループ
--->リーン・スタートアップは具体的には、「構築―計測―学習」のフィードバックループを通して、まず要となる仮説に基づいて実用最小限の製品(MVP)をすぐに作って、実際に顧客に使ってもらった実験結果から、成長につながる価値を学ぶ(検証による学び)という工程をくり返します。その中で、仮説に対して結果が違ったら、そのまま進むか、あるいは方向転換(ピボット)するかを選びます。その判断基準も、いっときの成果ではなく、事業として継続できるかどうかを見る、著者ならではの鋭い指摘が示されています。
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--->■リーン・スタートアップの本質は、不確実で先が読めない時代への挑戦
--->本書の中でたびたび登場する言葉が「不確実な状況」であり「価値」です。著者はロケットの発射のように綿密な計画を立て、わずかでも仮説が間違っていたために悲惨な結果を招くよりも、自動車の運転のように状況に応じで進路を変えながら進んでいく操縦法が起業においては重要であると説きます。先の見えない不確実ないまの時代、失敗をくり返さなければすばらしい新製品は開発できず、価値を正しく見極め、失敗をムダにしないためのアプローチがリーン・スタートアップです。

-Amazon.co.jp: The Lean Startup: How Today's Entrepreneurs Use Continuous Innovation to Create Radically Successful Businesses: Eric Ries: 洋書
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0307887898/nilabwiki-22/ref=nosim/

関連資料


-リーン・スタートアップ (Lean Startup)
--http://www.nilab.info/wiki/Lean_Startup.html