「葦手絵に使われている文字は、和歌を書くための仮名文字の一書体として発達した装飾書体であると考えられています。一条兼良(1402-1481)が記した源氏物語の注釈書『花鳥余情』(1472)では、「あしての色葉はあしのはのなりに文字をかく也 水石とりなとのかたにもかきなすなり 中峰和尚のさゝの葉かきといふ文字の体はさゝの葉ににたるかことき也」と定義され、葦の葉に似ていることから「葦手」と言われるようになりました」 「残念なことに、和歌を書くための書体として使われていた当時の葦手は、現存していませんが、文献中にその利用例を見ることができます。装飾性の強い文字であったため、解読に和歌や書などについての高い教養が必要であり、葦手を読み書きできることは一種のステータスでもありました。能書家(字を巧みに書く人)が得意とする書体の一つに数え挙げられたり、葦手で書いた書の手本を与えたなどの記述が見られます」 第1章 文字絵 始まる|本の万華鏡 第6回 へのへのもじえ ―文字で絵を描く―|国立国会図書館 https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/6/1.html
[Mastodon] 2024-02-03 20:12:42
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