Ruby 1.8.7 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > 組み込みライブラリ > Objectクラス

class Object

クラスの継承リスト: Object < Kernel

要約

全てのクラスのスーパークラス。 オブジェクトの一般的な振舞いを定義します。

このクラスのメソッドは上書きしたり未定義にしない限り、すべてのオブジェクトで使用することができます。

特異メソッド

定義 説明
new -> Object

Objectクラスのインスタンスを生成して返します。

インスタンスメソッド

定義 説明
self == other -> bool

オブジェクトと other が等しければ真を返します。

self === other -> bool

メソッド Object#== の別名です。 case 式で使用されます。このメソッドは case 式での振る舞いを考慮して、 各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。

self =~ other -> false

右辺に正規表現オブジェクトを置いた正規表現マッチ obj =~ /RE/ をサポートするためのメソッドです。常に false を返します。

__id__ -> Integer
object_id -> Integer
id -> Integer

各オブジェクトに対して一意な整数を返します。あるオブジェクトに対し てどのような整数が割り当てられるかは不定です。

send(name, *args) -> object
send(name, *args) { .... } -> object
__send__(name, *args) -> object
__send__(name, *args) { .... } -> object

オブジェクトのメソッド name を args を引数に して呼び出し、メソッドの実行結果を返します。

_dump(limit) -> String

Marshal.#dump において出力するオブジェクトがメソッド _dump を定義している場合には、そのメソッドの結果が書き出されます。

class -> Class
type -> Class

レシーバのクラスを返します。

clone -> object
dup -> object

オブジェクトの複製を作成して返します。

display(out = $stdout) -> nil

オブジェクトを out に出力します。以下のように定義されています。

to_enum(method = :each, *args) -> Enumerable::Enumerator
enum_for(method = :each, *args) -> Enumerable::Enumerator

Enumerable::Enumerator.new(self, method, *args) を返します。

eql?(other) -> bool

オブジェクトと other が等しければ真を返します。Hash で二つのキー が等しいかどうかを判定するのに使われます。

equal?(other) -> bool

other が self 自身の時、真を返します。

extend(*modules) -> self

引数で指定したモジュールのインスタンスメソッドを self の特異 メソッドとして追加します。

freeze -> self

オブジェクトを凍結(内容の変更を禁止)します。

frozen? -> bool

オブジェクトが凍結(内容の変更を禁止)されているときに真を返します。

hash -> Fixnum

オブジェクトのハッシュ値を返します。Hash クラスでオブジェク トを格納するのに用いられています。

inspect -> String

オブジェクトを人間が読める形式に変換した文字列を返します。

instance_eval(expr, filename = "(eval)", lineno = 1) -> object
instance_eval {|obj| ... } -> object

オブジェクトのコンテキストで文字列 expr またはオブジェクト自身をブロックパラメータとするブロックを 評価してその結果を返します。

instance_of?(klass) -> bool

オブジェクトがクラス klass の直接のインスタンスである時真を返します。

instance_variable_defined?(var) -> bool

インスタンス変数 var が定義されていたら真を返します。

instance_variable_get(var) -> object|nil

オブジェクトのインスタンス変数の値を取得して返します。

instance_variable_set(var, value) -> object

オブジェクトのインスタンス変数 var に値 value を設定します。

instance_variables -> [String]

オブジェクトのインスタンス変数名を文字列の配列として返します。

is_a?(mod) -> bool
kind_of?(mod) -> bool

オブジェクトが指定されたクラス mod かそのサブクラスのインスタンスであるとき真を返します。

marshal_dump -> object

Marshal.#dump を制御するメソッドです。

marshal_load(obj) -> object

Marshal.#load を制御するメソッドです。

method(name) -> Method

オブジェクトのメソッド name をオブジェクト化した Method オブジェクトを返します。

method_missing(name, *args) -> object

呼びだされたメソッドが定義されていなかった時、Rubyインタプリタがこのメソッド を呼び出します。

methods(include_inherited = true) -> [String]

そのオブジェクトに対して呼び出せるメソッド名の一覧を返します。 このメソッドは public メソッドおよび protected メソッドの名前を返します。

nil? -> bool

レシーバが nil であれば真を返します。

private_methods(include_inherited = true) -> [String]

そのオブジェクトが理解できる private メソッド名の一覧を返します。

protected_methods(include_inherited = true) -> [String]

そのオブジェクトが理解できる protected メソッド名の一覧を返します。

public_methods(include_inherited = true) -> [String]

そのオブジェクトが理解できる public メソッド名の一覧を返します。

respond_to?(name, include_private = false) -> bool

オブジェクトが public メソッド name を持つとき真を返します。 include_private が真のときは private メソッドに対しても真を返します。

singleton_methods(inherited_too = true) -> [String]

そのオブジェクトに対して定義されている特異メソッド名 (public あるいは protected メソッド) の一覧を返します。

taint -> self

オブジェクトの「汚染マーク」をセットします。

tainted? -> bool

オブジェクトの「汚染マーク」がセットされている時真を返します。

tap {|x| ... } -> self

self を引数としてブロックを評価し、self を返します。

to_a -> Array

オブジェクトを配列に変換した結果を返します。

to_ary -> Array

オブジェクトの Array への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

to_hash -> Hash

オブジェクトの Hash への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

to_int -> Integer

オブジェクトの Integer への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

to_io -> IO

オブジェクトの IO への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

to_proc -> Proc

オブジェクトの Proc への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

to_regexp -> Regexp

オブジェクトの Regexp への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

to_s -> String

オブジェクトの文字列表現を返します。

to_str -> String

オブジェクトの String への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

untaint -> self

オブジェクトの「汚染マーク」を取り除きます。

privateメソッド

定義 説明
initialize(*args, &block) -> object

ユーザ定義クラスのオブジェクト初期化メソッド。

initialize_copy(obj) -> object

(拡張ライブラリによる) ユーザ定義クラスのオブジェクトコピーの初期化メソッド。

instance_exec(*args) {|*vars| ... } -> object

与えられたブロックをレシーバのコンテキストで実行します。

remove_instance_variable(name) -> object

オブジェクトからインスタンス変数 name を取り除き、そのインス タンス変数に設定されていた値を返します。

singleton_method_added(name) -> object

特異メソッドが追加された時にインタプリタから呼び出されます。

singleton_method_removed(name) -> object

特異メソッドが Module#remove_method に より削除された時にインタプリタから呼び出されます。

singleton_method_undefined(name) -> object

特異メソッドが Module#undef_method または undef により未定義にされた時にインタプリタから呼び出されます。

追加されるメソッド

定義 説明 ライブラリ
dclone rexml
method_missing(id, *args) multi-tk
pretty_inspect -> String

self を pp で表示したときの結果を文字列として返します。

pp
pretty_print(pp) -> ()

PP.ppKernel.#pp がオブジェクトの内容を出力するときに 呼ばれるメソッドです。PP オブジェクト pp を引数として呼ばれます。

pp
pretty_print_cycle(pp) -> ()

プリティプリント時にオブジェクトの循環参照が検出された場合、 Object#pretty_print の代わりに呼ばれるメソッドです。

pp
pretty_print_inspect -> String

Object#pretty_print を使って Object#inspect と同様に オブジェクトを人間が読める形式に変換した文字列を返します。

pp
pretty_print_instance_variables -> [String | Symbol]

プリティプリント時に表示すべき自身のインスタンス変数名の配列をソートして返します。 返されたインスタンス変数はプリティプリント時に表示されます。

pp
to_yaml(opts = {})

オブジェクトをYAMLドキュメントに変換します。

yaml
to_yaml_properties -> [String]

Object#instance_variables.sortの結果を返します。

yaml
to_yaml_style -> nil

nilを返します。

yaml