福原 直樹 著 「黒いスイス」 : スイスというか日本のことを考えてしまう。良い本です。

福原 直樹 著 「黒いスイス」 : スイスというか日本のことを考えてしまう。良い本です。

-福原 直樹 著 / 黒いスイス
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-目次
--はじめに
--第1章 ロマ(ジプシー)の子供を誘拐せよ
--第2章 「悪魔」のスタンプ
--第3章 それぞれの戦い ―― 「祖国」と「人道」の狭間
--第4章 中立国の核計画
--第5章 理想の国というウソI ―― 「相互監視」社会
--第6章 理想の国というウソII ―― 民主主義社会
--第7章 理想の国というウソIII ―― ある政治家との対話
--第8章 マネーロンダリング
--あとがき

以下、要約と感想。

-スイスは自国を守ろうとして、結果的に他国民に酷いことをしてしまっている。
--スイスだけじゃなくて、他の国も、日本も同じような気がしてしまう。
-ロマの子供を誘拐し、ジプシー生活をやめさせる。
--ジプシー生活は悪だから、野放しにすると治安悪化する。
-Jのスタンプを押してユダヤ人を判別。
--ナチスに加担。
--スイスとしては難民流入を防ぎたい。
-スイス政府は核開発研究をしていた。
--スイス国民は核開発研究について知らない。
--日本でも核実験をやっているかもしれないと疑ってしまう。
-日本もスイスぐらい相互監視したほうが良いかも。
--日本の警察は民事不介入で動けないことが問題になるときもあるし。
-人種差別。
--スイス住民による投票によって、それぞれの外国人がスイスの国籍を取得できるか決まる。
---国籍・人種によってはスイスの国籍を取得させてもらえない傾向がある。
--日本でも、「外国人による犯罪が多発〜」というフレーズを聞くので、スイスに限った話ではないような。
--恐ろしい「ハンマースキン」というネオナチ・白人史上主義・人種差別主義の組織。発祥はアメリカ。アメリカやスイス以外の国でも活動。
---「ハンマースキン」の実態を告発したドキュメンタリー映画 「スキン・オア・ダイ」 by ダニエル・シュバイツァー監督
--移民に職を奪われるという危機感から、別の人種を差別する。
--日本も老人の割合が増えることの対策に、移民を利用しようという話もあるけど、失業率上昇とか犯罪率上昇とかで、どうなることやら。
-ヘロイン中毒の治療に、似たような弱い薬物を利用。
--ウォッカのかわりにビール、みたいな発想だと他国に非難される。
--スウェーデンではモルヒネで似たようなことをしたが失敗したらしい。
--タバコに対するニコレットみたいな感じ?
-小さな自治。
--EUへの加盟に積極的でない地域がある。
--大きい国は、中央集権で独裁的になるから。
-マネーロンダリングさせる銀行が大儲け。
--政治に関与するスイスの銀行。
--顧客情報(テロリストとか悪徳政治家とか脱税経営者とか)を秘匿。
--重税からカネを守る人を手伝うことがいけないのか?という正義的感覚。ただし、金持ちに対する重税に関してであって、貧乏人には関係ない話 :-P