エンジニアリングマネージャーのしごと

読書メモ


-nilog: 『エンジニアリングマネージャーのしごと』を読了。 「本書は、エンジニアリングチームのマネジメントの仕事全般を紹介し、エンジニアリングマネージャーに必要な考え方やスキルを解説します。はじめに、自分の役割と組織のさまざまな部分がどう関係するかを理解し、習慣を整えることで自分自身を管理することを学びます。そして、日々のマネジメント業務で必要なツールとプロセスを紹介し、スタッフとの関係性の構築、モチベーションの理解、評価や採用などを解説します。さらに社内政治や難しい状況での判断、その後のキャリアについて説明します。マネジメントのさまざまな段階に沿って、日々の仕事に取り入れられる実践的なアドバイスを紹介する本書は、エンジニアリングチームのマネージャーに必携の一冊です」 エンジニアリングマネージャーのしごと ―チームが必要とするマネージャーになる方法 | James Stanier, 吉羽 龍太郎, 永瀬 美穂, 原田 騎郎, 竹葉 美沙 (2024-01-23)
--http://www.nilab.info/nilog/?type=m01&id=111804589136575858
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-自分自身を整理整頓する
--「時間を管理するためだけにカレンダーを使います。カレンダーはToDoリストではありません。タスクはカレンダーから取り除き、代わりにToDoリストを使いましょう」
--「メールはToDoリストではありません! ToDoリストはToDoリストです。実行が必要なアクションはToDoリストに入れ、関連するメールはアーカイブしましょう」

-日々取り組んでいるマネジメントの活動を4つのバケツに分類して生産性を高める
--情報収集
--意思決定
--ナッジング: 議論に対して自身の観点を提供することで、決定に影響を与える
--ロールモデル: スタッフや同僚に実例で示す

-マネージャーの計測可能なアウトプット
--マネージャーのアウトプット = 自分のチームのアウトプット + 自分が影響を与えた他のチームのアウトプット

-人と関わる
--「何かをコミュニケーションしようとするときは、どの媒体を使うべきか注意深く考えてください。メッセージをうまく伝えられる媒体もあれば、そうでない媒体もあります」
--「コミュニケーションするときは、まず伝えたいメッセージについて考えましょう。次に、相手の気持ちになって、どうすればいちばんうまくメッセージを受け取れるかを考えましょう。そして、プラットフォームに適応させましょう。対面で伝えればすぐ済む話なのに、長文メールの作成に2時間もかける必要はありません」
--「マネージャーの言葉には重みがあります。フィードバックと受け取られることもあれば、命令と受け取られることもあります。そのため、情報を発信する前に、2回考える必要があるのです」
--「コミュニケーションしたいときにコミュニケーションしてはいけません。コミュニケーションが必要なときにコミュニケーションするのです」
--「コミュニケーションは、あなたに合わせるのではなく、相手に合わせて行うべきです。メールや会話をする場合は、受け手の視点を思い描くようにしましょう。メールを送る前に、初めて読むつもりで最初から読み返しましょう。意味は通るでしょうか? トーンは適切でしょうか? 対面で話すほうがよくはないでしょうか?」

-マネージャーの世界の蓋を開ける
--「「今週、気になっていたのはどんなことですか?」 「現時点でいちばんの心配事は何でしょうか?」 「他のスタッフはどうでしたか?」 「同僚は、どんなことをやっているんですか?」 簡単でも積極的に興味を示すことで、数多くのキャリアの成長の機会が得られます。他のチームの採用を手助けすれば、自分の影響範囲を広げられます」

-サマリーの力
--「定期的にサマリーを書くことです。毎週30分とって、あなたとあなたのチームが関わっていた活動をメモに残し、どのように感じたか、どのような判断が必要で、どのような判断を下したかを記録しておきましょう。あなたのスタッフの働きぶりや、仕事をどう感じているかも書きましょう。仕事の妨げになっていることはありますか? 問題になりそうなことはないでしょうか? 何もかも予定どおりうまくいっていますか? 書き残しましょう」
--「自分の生活を記録することは、気分や健康の改善に良い影響があるという研究もあります。仕事を毎週記録することで、仕事でも同じような効果があるのです」
--「うまく書けないなら、4つのPというアプローチを試しましょう。 進捗(Progress):前回の記録から何が起こったか? 問題(Problems):どんな問題が起こったか、対処が必要なものは何か? 計画(Plans):問題に対してどのように取り組む予定か? 人(People):チームの人はどうか。 全員良い状態か? 辛い状態の人はいないか? 何を改善できるか?」

-大聖堂とバザール
--管理と安定によってモチベーションが高まる人もいれば、カオスや変化によってモチベーションが高まる人もいる
--誰が大聖堂を建設する人で、誰がバザールをぶらつく人か
--スタッフがカオスのなかで育つか安定性のなかで育つか

-大聖堂を建設する人
--大聖堂を建設する人は集中、安定性、純粋主義、クラフトマンシップを強く求めている

-バザールをぶらつく人
--バザールをぶらつく人はたくさんの喧騒を体験したいと思っています。興奮、多様さ、カオス、変化を求めている

-面談フォーム
--実績に関する質問: 「この半年の自分の実績について考えてください。大きくても小さくても構いません。自分が成し遂げたことで満足しているものは何ですか? またそれはなぜですか?」
--ふりかえりに関する質問: 「現在の自分の役割についてどう思いますか? 前回の面談から、良くも悪くも変化しましたか?」
--成長に関する質問: 「この期間中で、もっとうまくできたと思うことはありますか? 自分の成長のために、どんなスキルを身に付ける必要があると思いますか?」
--将来に関する質問: 「会社での自分の将来について考えてください。どこに向かいたいですか? 成し遂げたいことや取り組みたいことは何ですか? もしくは、自分自身の現状に満足していますか?」
--支援に関する質問: 「将来自分の望む場所に到達するために、どんな支援を必要としていますか?」

-キャリアの面談
--「あなたが胸を張れる実績は何ですか? 普段もそう感じますか? それとも特別ですか? あなたが成長したいと言っているその分野ですが、どうやったらできると思いますか? 私にサポートできることは何でしょうか? チームについてどう感じていますか? 特に「この人と働くのが楽しい」という人は誰ですか?「この人と働くのはちょっとしんどいな」という人はいますか? それはなぜですか? 今やっている仕事は、ここ数年と比較してどの程度やりがいがありますか? 自分を成長させ、新しいことを学習する機会は十分にありそうですか? 5年前に自分の考えていたことと比べて、現在の自分の役割はどうですか? それはなぜですか? マネージャーとしての私のパフォーマンスについて思うところはありますか? あなたやチームを支援するために、もっとできることはないでしょうか?」

-評価面談
--「不満についても覚悟しておきましょう。昇給についての反発はいつでも受け止める準備をしておきましょう。どんなに努力しても、満足しないスタッフがいることもあります。10%の昇給を目指して、やれることはすべてやったと自分に言い聞かせたところで、会社が利益目標を達成できなかったために全員の昇給率が相対的に低くなることもあります。大概が、完全にあなたの手に負えることではありません」

-機能の優先順位付け
--機能を「Must」「Should」「Could」「Won't」に分解する

-自分のキャパシティを賢く使う
「自分がコミットできる仕事のキャパシティについて考える必要があります。理想的には、キャパシティの85%くらいにコミットして、快適なレベルで週ごとに計画を立てるとよいでしょう」
「キャパシティを空けておけば、追加の仕事を前向きに、勤勉に、しかも高い水準で完了できます。チームがあなたを必要とするとき、すぐに動けます。あなたの上司が助けを必要とするとき、すぐに支援できます。スタッフの誰かの息が詰まったり、困ったりしているとき、自分の余裕あるキャパシティを簡単に割り当てられます」
「キャパシティぎりぎりで働いているマネージャーは、チームの弱点になります。その場の問題への対応依頼は放置され、スタッフも必要な支援が得られず、フォローアップが必要な緊急タスクも忘れられます」

-ワーク・ライフ・バランス
--「プレゼンティーズムとは、自席に座って、他の人が退社するのを待ってから退社することですが、ほとんど生産的なことをしていません」
--「派手な退社によって、その日の終了を知らせるように促すのです。「学校の送り迎えがあるから帰るよ」、「買い物があるからもう行きます」、「今日は思ってたよりも早く終わった。帰る時間だ」といったものです」

書籍情報


-O'Reilly Japan - エンジニアリングマネージャーのしごと
--https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119946/
-->本書は、エンジニアリングチームのマネジメントの仕事全般を紹介し、エンジニアリングマネージャーに必要な考え方やスキルを解説します。はじめに、自分の役割と組織のさまざまな部分がどう関係するかを理解し、習慣を整えることで自分自身を管理することを学びます。そして、日々のマネジメント業務で必要なツールとプロセスを紹介し、スタッフとの関係性の構築、モチベーションの理解、評価や採用などを解説します。さらに社内政治や難しい状況での判断、その後のキャリアについて説明します。
-->マネジメントのさまざまな段階に沿って、日々の仕事に取り入れられる実践的なアドバイスを紹介する本書は、エンジニアリングチームのマネージャーに必携の一冊です。

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