動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

-Amazon.co.jp: 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか: 福岡 伸一: 本
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--->内容説明
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--->『生物と無生物のあいだ』の福岡伸一、待望の最新刊。「時間どろぼうの正体」「太らない食べ方」「生命は時計仕掛けか?」「病原体とヒトのいたちごっこ」「アンチ・アンチエイジング」ほか10年におよぶ画期的論考の決定版!
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--->哲学する分子生物学者が問う「命の不思議」
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--->生物を構成する分子は日々入れ替わっている。
--->私たちは「私たちが食べたもの」にすぎない。
--->すべての生物は分子の「流れ」の中の「淀み」なのである。
--->しかし、その肉体、タンパク質の集合体に、なぜ「いのち」が宿るのか。
--->遺伝子工学、最先端医学は生物を機械のように捉えていないか。
--->生命の「背景」にある「時間」を忘れていないか。
--->いったい、生命とは何なのか。哲学する分子生物学者が永遠の命題に挑む!
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--->内容(「BOOK」データベースより)
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--->生命とは、絶え間ない流れの中にある動的なものである。読んだら世界がちがってみえる。哲学する分子生物学者が問う「命の不思議」。今まで体験したことのないサイエンス・ストーリー。
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--->レビュー
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--->生命現象の核心を解くキーワード、それは<動的平衡> (dynamic equilibrium ダイナミック・イクイリブリアム)。
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--->私たちは、自分は自分だ、自分の身体は自分のものだ、という風に、確固たる自己の存在を信じているけれど、それは実は、思うほど確実なものではない。私たちの身体は、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸などの分子で構成されている。しかし、それら分子はそこにずっととどまっているのでもなければ、固定されたものでもない。分子は絶え間なく動いている。間断なく分解と合成を繰り返している。休みなく出入りしている。実体としての物質はそこにはない。一年前の私と今日の私は分子的にいうと全くの別物である。そして現在もなお入れ替わり続けている。
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--->つまり、私たちの身体は分子の「淀み」でしかない。それも、ほんの一瞬の。私たちの生命は、分子の流れの中にこそある。とまることなく流れつつ、あやういバランスの上にある。それが生命であり、そのあり方を言い表す言葉が、本書のタイトル、<動的平衡>である。本書は、最初から最後まで、<動的平衡>とは一体何なのか、どのように成り立ち、いかにふるまうかを考えた本である。
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--->爪や皮膚、髪の毛であれば、絶えず置き換わっていることが実感できる。しかし私たちの全身の細胞のそのすべてで置き換わりが起きている。固い骨や歯のような部位でもその内部は動的平衡状態である。お腹の回りの脂肪も、たえず運び出され、たえず蓄えられている。分裂しないはずの脳細胞でもその中身やDNAは作り替えられる。
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--->なぜそれほどまでに、あえどのない自転車操業のような営みを繰り返さねばならないのか。それは、絶え間なく壊すことしか、損なわれないようにする方法がないからである。生命は、そのようなありかたとふるまいかたを選びとった。それが動的平衡である。
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--->生命は、必死に自転車をこいでいる。追手から逃れるために。追手は生命をとらえて、その秩序を壊そうとたくらむ。温かな血潮を冷まそうとする。循環を止めようとする。追手の名は、エントロピー増大の法則。輝けるものはいつか錆び、支柱や梁はいずれ朽ち果てる。いかなる情熱もやがては消え、整理整頓された机の上もすぐに本や書類が積みあがる。乱雑さ(エントロピー)が増える方向に時間は流れ、時間の流れは乱雑さが増える方向に進む。生命も、この宇宙の大原則から免れることはできない。しかし、エントロピー増大の法則に先回りして自らをあえて壊し、そして作り変えるという自転車操業を続ける限りにおいて、生物はその生命を維持することができる。私たちの身体において、たゆまず、けなげに自転車をこぎつづけているもの、それが動的平衡である。
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--->あなたは本書を読み終わった後、季節の移ろいを感じ、高い空を見上げ、いろんな思いを巡らせることだろう。あるいは、たくさんの友達と会話することだろう。その時々に、こう言ってほしい。「ああそれはね、動的平衡だよ」と。

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読書メモ

-新陳代謝速度が加齢とともにお遅くなる。体内時計は徐々にゆっくりと。年をとると一年が早く過ぎるのは実際の時間の経過に自分の生命の回転速度がついていけないから。

-脳は比例関係以外の関係を理解するのが苦手

-自然界はシグモイド・カーブ

-できるだけインシュリンが出ないようにだましだまし食べることができれば太りにくくなる

-血糖値・GI値

-普通の食生活をしている日本人であれば不足する栄養素は一つとしてない

-遺伝子組み換えは生物に不自然な負荷をかける

-科学的に安全だとされる遺伝子組み換えが何のために行われているか。理由はアグリビジネスが儲かるから。

-アメリカのモンサント社というバイオテクノロジー企業
--「ラウンドアップ」という強力な除草剤を開発
--「ラウンドアップ」に耐性をもつ遺伝子を組み込んだ大豆(一年しか使えないような細工(不稔性)もしている)を開発
--「ラウンドアップ」と食用作物の除草剤耐用種子セットで儲けようとしている

-nilog: やっと「動的平衡」読み終わった。読みやすい気はするけど、まわりくどい文章もたびたび出てくる感じ。 (2010-01-09)
--http://www.nilab.info/nilog/?type=timelog&id=1758e596ed47570d6674997ada534fca71e95bc7b519bd