サーバントリーダーシップ

読書メモ


-nilog: かなり飛ばし読みして読了。古い原典っぽさがある。 「1977年に米国で初版が刊行されて以来、本書は研究者・経営者・ビジネススクール・政府に絶大な影響を与えてきた」 サーバントリーダーシップ | ロバート・K・グリーンリーフ, 金井壽宏, 金井真弓 (2023-01-02)
--http://www.nilab.info/nilog/?type=twitter&id=1609729128827334657
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-「世界は自分が幸福になるために何もしてくれないなどと文句を言うのはやめよう。自分の人生がコミュニティ全体のものであると、私は考えている」

-「放置とは、とても大事なものと多少大事なものを区別し、重要なものと急を要するものとを選り分け、重要度の高いものに注意を向けることだ」

-「普段の要求に応えている間も予備のエネルギーを温存して緊急事態をうまく処理できる弾力性」

-「人を受け入れるためには、その欠点を寛容に受け止めなければならない」
-「組織づくりの秘訣は、そんな人々を、最も成長できるやり方で成長させることで、グループとしてまとめられるかどうかにかかっている」

-「彼のアプローチは、奴隷所有者を非難して相手の敵意を募らせるやり方ではなく、問いを投げるというものだった」
-「どのような組織なら、あなたの子供を委ねたいですか」
-「道徳的な人間としてのあなたに、奴隷を所有することはどういう意味がありますか」
-「彼は三十年にわたって、ひとりひとり、少しずつ、何度も粘り強く訪れては穏やかな議論を重ねていき、ついに奴隷制はキリスト友会からなくなったのだ」

-「ちょっとした沈黙など恐れなくていい」
-「リラックスして会話に入っていくには、ささやかな沈黙も喜んで受け入れられるものだ」
-「今考えていることを口にするのは、沈黙の状態よりも本当にいいことだろうか」

-「ひとりの責任者という概念の欠点」
-「ピラミッドの頂点に立つただひとりの責任者になるということは、まともとは言えないし、堕落に陥りやすい」
-「どんな人も自分ひとりでは完璧でいられない。まわりの同僚に助けられたり、間違いを直してもらったりすることが必要だ」
-「ピラミッド的構造のせいで、非公式なつながりは弱まり、正直な反応やフィードバックを得るルートを遮断され、上司と部下という制限のある関係が作られる」
-「責任者がひとりしかいない場合、その人物が役職を降りるときは、仕事に大きな穴があく」

-「運営する人間とコンセプト策定をする人間」
-「運営能力のある人材のおかげで、組織は毎日の状況の中で目標に近づき、その動きにつれて起きる問題を解決する。それには、対人関係を丸く収めるスキル、周囲の状況を読み取る感覚、ねばり強さ、豊富な経験、判断力、健全な倫理観、そして毎日の動きに応じたさまざまな特性や能力が必要となる。運営とは、「導くこと」に比べると、管理のほうに近い」
-「コンセプト策定の能力がある人材は、歴史の一部──過去と未来──という観点から全体を見渡している。目標を明言し、調整を加え、パフォーマンスを分析して評価する。そしてはるか前方にある、将来の不慮の出来事を予見する。長期にわたる戦略的な計画も作るし、標準を定めたり、各部署と全体を結びつけたりすることも役割のひとつだ」

情報


-サーバントリーダーシップ | ロバート・K・グリーンリーフ, 金井壽宏, 金井真弓 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon
--https://www.amazon.co.jp/dp/B00O9YUJ7W?tag=nilabwiki-22&linkCode=osi&th=1&psc=1
-->希望が見えない時代の、希望に満ちた仮説
-->ピーター・センゲに「リーダーシップを本気で学ぶ人が読むべきただ1冊」と言わしめた名著、待望の邦訳。「サーバント」――つまり「奉仕」こそがリーダーシップの本質だ。
-->1977年に米国で初版が刊行されて以来、本書は研究者・経営者・ビジネススクール・政府に絶大な影響を与えてきた。「サーバントリーダーシップ」の概念は、今やリーダーシップ論の基本哲学を成している。
-->「サーバント」――つまり「奉仕」こそがリーダーシップの本質だと、著者グリーンリーフは説く。自らの良心に従い、より良い世界へ導くことを自身の責務と信じ、周囲の人々にとって、組織にとって、優先されるべきことが為されているか、常に心をくだく――そうした「サーバント」としてのリーダー像を描いた本書は、混迷の時代の中、いっそうその輝きを増している。読み継がれてきた不朽の名著、待望の邦訳。
-->長年にわたって多くの組織と仕事をする中で、この本が与える衝撃を目の当たりにしてきた。そして、最も大きな成果はこれから現れるだろうと確信している。読者のみなさん、僭越ながら、本書とこの中に書かれた洞察というすばらしい宝物を、心からお薦めしたい。――スティーブン・コヴィー(『7つの習慣』著者)「前書きに代えて」より
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-->「奉仕」こそ、リーダーシップの本質である。
-->自らの良心に従い、より良い世界へ導くことを自身の責務と信じ、周囲の人々にとって、組織にとって、優先されるべきことが為されているか、常に心をくだく――そうした「サーバント」としてのリーダー像を描いた本書は、混迷の時代の中、いっそうその輝きを増している。読み継がれてきた不朽の名著、待望の邦訳。
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-->(監訳者あとがきより)
-->フォロワーに対して、いかにもリーダーらしく偉そうに振る舞うと、リーダーシップを失い、逆に、フォロワーに対してサーバントとして尽くすほうがかえってみんなに慕われ信頼されて持続するリーダーとなる。サーバント・リーダーになる道筋を最も簡潔に言葉で表すとそうなる。ここに通常のリーダーシップ論が想定しがちな、カリスマや英雄のイメージはない。また、並外れたオリジナリティや、絢爛で勇猛なリーダーシップ論の新機軸があるわけでもない。しかし、不思議にも、そこにこそ、穏やかながら、心から信じることができるリーダーシップ像がある。だからこそ、グリーンリーフが1990年に亡くなったあと、サーバント・リーダーシップ論がいっそう多くの支持を得るようになったのだと言える。
-->喜んでついてくるフォロワーがいなければ、その場にリーダーシップは存在しない。フォロワーを抜きにリーダーシップ現象はありえないし、フォロワー視点を持たずにリーダーシップ現象は意味ある形で解明されない。どのような発想で、どのような行動をリーダーがとればいいのかという問いは、リーダーシップを発揮する能力を身につけたいと思う人には不可欠だ。合わせて、リーダーがどのような発想で、どのような行動をとれば、周りにいる潜在的フォロワーは、その潜在的リーダーについていく実際のフォロワーになるのだろうかという問いが、同じ重みを持つ。むしろ後者のほうがいっそう重たい問いとなる。われわれは、どのような人なら、喜んでついていく気になるだろうか。