学んでみると自然人類学はおもしろい

学んでみると自然人類学はおもしろい

-Amazon.co.jp: 学んでみると自然人類学はおもしろい (BERET SCIENCE): 富田 守, 針原 伸二, 真家 和生: 本
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860643313/nilabwiki-22/ref=nosim/
--->「ヒト」とは何でしょうか。それはつまり人間のことです。ただそれは、人間を生物の一種として研究するときに用いる呼び方です。私たち人間は、私たち自身を「地球上で特別な存在である」と感じながら生きています。しかし、それ以前に人間は哺乳類、霊長類であり、動物の一種です。そのような視点から「ヒト」を研究することで見えてくるものがありそうです。本書は、人類の進化から二足歩行、手の働きなどの身体的特徴、遺伝子についてまで、きちんと解説した「自然人類学」の入門書です。

読書メモ


-人類学
--自然人類学: 人類を生物種としてとらえ、主に人類の身体的側面を自然科学的手法で研究する学問
---形態人類学
---遺伝人類学
---生理人類学
---生態人類学
--文化人類学: さまざまな民族の生活文化を、社会・人文科学的手法で研究する学問
---先史考古学
---民族学
---社会人類学
---言語人類学
---心理人類学

-家族の誕生
--直立姿勢 → 骨盤変形 → 難産
--「難産の母親と未熟児の子どもの生活力は低く、人類はそれへの適応戦略として、生物的配偶者の男性に母子を守らせる、家族という群れをつくりました。そして、この男性に父親としての役目を持たせたのです。これが性的分業の結果としての男性の仕事であり、それが後に、外働きとして金銭に換算され、女性の内働き(家事労働)を金銭価値に関わらないとする評価法を用いることにより、性差別の問題へと発展することになりました」

-母親と子どもは強固な関係でつながれている
--父親と母親、父親と子どもの絆を強固にする機構
---音声言語、表情言語、手振り身振り言語を用いた高いコミュニケーション能力。さらに強まって文字やメールが発達

-自己擬態
--女性の乳房は尻の模倣という説
---恒常的な性的アピール

-「人類の子どもは、霊長類一般の特徴として、不安や不快になると泣き叫びます」
--「私たちはもともと樹上生活者なので、泣き叫んで保護者を呼ぶのです。地上性の動物はそうはしません。極めて遠慮がちに鳴くのが基本です。それは、捕食者に居場所を知られないようにするためです」

-hunting temperature reaction
--指先が凍傷にかからないようにするための特殊な機能
--燃焼時までの寒冷暴露により後天的に鍛えられることが知られている
--小さいときにこの機能をトレーニングしておかないと凍傷にかかりやすくなる
--ホイヤー・グローサー器官

-nilog: 直立歩行から生じる人類の特徴 (真家和生『自然人類学入門』技報堂出版、2007 より) - 学んでみると自然人類学はおもしろい http://t.co/q6YyOvZX
--http://www.nilab.info/nilog/?type=twitter&id=267969154684973059
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書籍情報


-学んでみると自然人類学はおもしろい|書籍詳細|ベレ出版
--http://www.beret.co.jp/books/detail/?book_id=452
--->私は約50年間、半世紀にわたって自然人類学の研究および教育に携わりましたが、その間、人類学あるいは自然人類学の科目担当者として、多くの大学で講義を行ないました。そして、その講義内容の概要を、『人類学レクチャー』として2006年と2008年にまとめました。その中には、長年にわたる自然人類学の研究成果の他、それから得られた新しいビジョンが含まれています。
--->その後、人類学はこれまで過去から現在までの人類について研究してきたのですが、そこで得られた成果を紹介することの他に、得られた研究成果を基にして、未来の人類についても考察を広げることが重要ではないかと考えるようになりました。それで、「これからの人類」を考える章を新たに加えたものを、『人類学の人間観―温故知新の人類学―』として、2011年にふたたび小冊子にまとめました。
--->今回、ベレ出版、坂東一郎氏のご尽力で、その小冊子をさらに発展させた本書を出していただけることになりました。書名も、自然人類学であることがはっきりするものになりました。また、本の内容を充実させるため、さらに真家和生および針原伸二の二人の先生方に執筆者として加わって頂きました。従って、本書の執筆者は、序章&#12316第3章および第6章と終章は私、富田守、第4章&#12316第5章は真家和生、第7章&#12316第9章は針原伸二です。
--->なお、第10章は、富田守、真家和生、針原伸二の三人が共同で執筆しました。
--->本書の出版にあたり、お世話になったベレ出版の方々に心からの感謝を申し上げます。
--->同時に、本書を読んでくださった方々が、自然人類学の持つビジョンや、独特のおもしろさに気付いていただければと願っております。

-Amazon.co.jp: 学んでみると自然人類学はおもしろい (BERET SCIENCE): 富田 守, 針原 伸二, 真家 和生: 本
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860643313/nilabwiki-22/ref=nosim/
--->「ヒト」とは何でしょうか。それはつまり人間のことです。ただそれは、人間を生物の一種として研究するときに用いる呼び方です。私たち人間は、私たち自身を「地球上で特別な存在である」と感じながら生きています。しかし、それ以前に人間は哺乳類、霊長類であり、動物の一種です。そのような視点から「ヒト」を研究することで見えてくるものがありそうです。本書は、人類の進化から二足歩行、手の働きなどの身体的特徴、遺伝子についてまで、きちんと解説した「自然人類学」の入門書です。

-目次
--人類学とは?自然人類学とは?
--宇宙と生命の起源と進化
--人類の進化の歴史
--哺乳類、霊長類と共通な特徴とヒト特有の特徴
--身体的特徴と家族、生活方式の成立機序
--各地域への適応と移住拡散
--直立二足歩行、手の働き、言語と意識の機構
--遺伝現象について考える
--ミトコンドリアDNAの研究からわかってきたこと
--遺伝子から見た日本人の起源
--これからの人類
--人類の存在意義とは?