世界のしくみがよくわかる!ニュースを読む技術

世界のしくみがよくわかる!ニュースを読む技術

-Amazon.co.jp: 世界のしくみがよくわかる!ニュースを読む技術: 池上 彰: 本
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--->私たちは、さまざまな情報に囲まれて生活しています。テレビ、ラジオ、新聞、インターネット・・・、これらのメディアを通じ、あらゆる世界のニュースを“知る”ことができます。
--->ただし、一方的に受け取るニュースや情報は、断片的な事実しか伝えてくれません。その背景に何があるのか見えていないと、事実の意味や問題点は見えてこないのです。
--->私は「新聞を毎日くまなく読んでも、池上さんが解説するような情報までは手に入れられません。いったいどこから情報を手に入れているのですか?」という質問を受けます。そこで、こう答えています。
--->ジュースをストローで飲むことを考えてください。吸うと空気が吸い出されジュースが上昇してきます。そのジュースが「情報」だと考えてみてください。吸い出す空気とは、あなたが他人に話してみることや、文章を書いてみることです。
--->さまざまなニュースに関し、読むだけでなく、自分で話したり書いたりすることによって新たな情報を獲得することができるのです。たとえば、あるニュースを新聞で読んで知ったとします。それをわかりやすく説明しようとすると、自分がそのニュースについて詳しく知らないことに気づかされます。この“気づき”が大切なのです。
--->自分が「知らない」ことに気がつけば、それを知ろうと努力するようになります。新聞を読むだけでは得られないものがあることは、日々新聞を読んでいて初めて知ることができます。
--->何を知らないかがわかったら、それに関する書籍を探して読んでみることです。そのニュースに関する背景を知ることができれば、次に新聞記事を読んだ時にそのニュースが深く理解できるはずです。
--->また、背景を詳しく知れば、その新聞記事が何故この書き方になったのかを推測することもできます。こうなれば「このニュースの裏側には何かがあるのでは?」という疑問も生まれてくるでしょう。この新たな疑問を大切にして、次の情報を書物や新聞、インターネットで調べてみることです。あなたの情報量は格段に増えるはずです。
--->ストローでジュースを吸い上げる。いってみればそれは自分の中にあるさまざまな知識を他人に話してみること。他人に話してみることによって、いろいろ知らないことに気がつく。つまり、ストローの中の気圧が下がるのです。するとジュースがストローの中に吸い上げられてきます。つまり、さまざまな情報を吸い上げることが可能になります。
--->情報収集で一番大切なことは、情報を知ることによって“自分が何を知らないか”を知ることです。自分の知らないことがわかれば、それを知る努力をすればいいのですから、自分が何をすべきかを確認することができます。
--->この本では、「読む力」を高めるために、毎日流れてくるニュースをどう読んだらいいのかについて書いています。私流のニュースの読み方を、現在の日本および世界情勢の具体的な事件や出来事をベースにしながら提示しています。
--->知識を深めると同時に、いろいろなニュースの読み方を知り、そこからあなたならではのニュースの裏の読み方を編み出してく

-道路問題と同じ「空港整備特別会計」という仕組み
--他のことには使えないお金
--飛行機はかつては特別なお金持ちが乗るものだったため税金を投入しづらかった
--空港は航空会社に建設資金を負担させる
--航空会社は乗客の運賃にその分の負担を上乗せする
--日本の空港は着陸料が高い
--他のことには使えないお金なので、新しい空港をつくることにお金がつぎこまれる
---ただし、空港の維持管理費は地元負担(県民の税金)

-日本航空には8つの労働組合
--『沈まぬ太陽』会社の意に沿わない労働組合の委員長が人事異動でアフリカへ飛ばされる実話が元
--運輸省・国土交通省に守られていたおかげで、労務対策がお粗末でも、高い運賃、高い給料、福利厚生の充実を実現

-GM破綻
--「50年代、60年代の従業員は若くて定年退職者もわずか。退職者に支払う年金の額も小さなものでしたから、当時の経営陣にとって遠い将来の支払いなどはどうでもよかったのです。いずれ大変なことになる。その頃には自分はこの会社にいないというわけです」
--「GMの新車試乗者か米自動車会社を一時解雇された労働者は誰でも、日本車をハンマーで殴っていいという"新商法"は、米国産車のディーラーが考案」
--政治家に泣きついて日本からの自動車の輸入をストップさせる → GM空前の利益 → 車づくりに資金をつぎこむべきなのに、経営陣の報酬を増やす

-2010年トヨタのリコール問題
--新聞はそれなりにトヨタの問題を報道した
---新聞広告がリーマンショック以降減ったせい?
--民放テレビはニュースではトヨタの問題を伝えたがワイドショーではまったく取り上げなかった
---トヨタは民放テレビ局にとって大スポンサー
---「民放局の姿勢は情けないの一言です」

-「アメリカのリスク管理とは何か? 端的にいってしまえば、リスクは他人に押し付けるということです」

-サブプライムローンの債権入りでも「混ぜれば安心」
--バブルがはじけて、じつは中に何が入っているのか、価値があるのかないのかわからない状態が不安を増して、証券の値段が暴落

-中国の経済発展
--中国向けに輸出している日本の化学メーカーでは、塩化ビニール、苛性ソーダ、タイヤの原料などの生産がフル操業に近い状態にまで回復

-「企業というのは、儲からなくて苦しいと、政府がなんとかしてくれと大声をあげますが、自分の会社が儲かり始めると、とたんに黙ってしまうのです」

-日米の密約
--政権交代のおかげで過去の密約が明らかに
--「日本に核兵器は持ち込ませないと、過去の自民党政府は言ってきました。ところが、じつはアメリカ軍が核兵器を日本に持ち込んだら、日本政府は知らん顔すると、国民に内緒でアメリカと約束していたことがわかりました」

-暗殺の国際ルール
--それぞれの国が安心して滞在していられる第三国で暗殺しない
--「東西冷戦時代、アメリカのCIAとソ連のKGBは激しいスパイ合戦を繰り返していました。ただし、お互いに相手のエージェントは暗殺しないという暗黙のルールがありました」
---殺してしまうと報復があり際限の無い殺し合いになってしまう