六〇〇万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス

六〇〇万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス

-Amazon.co.jp: 600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス (角川SSC新書): 上阪 徹: 本
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4827550719/nilabwiki-22/ref=nosim/
--->内容(「BOOK」データベースより)
--->1998年に始まったクックパッドのレシピ検索サービスは、今や600万人以上が利用する巨大サイトに成長した。一般のユーザーがレシピを検索するだけでなく、投稿して自分のレシピを公開することもできるのが大きな魅力。特に若い女性の利用が目立ち、30代では4人に1人がユーザーという。レシピ情報は今やどこでも手に入る中、何故このような人気を博したのか?運営は?収益構造は?意外にも男性には知られていないこのサイトの秘密に迫り、新しいビジネスのあり方を探る。
--->著者について
--->上阪徹(うえさか・とおる)
--->1966年、兵庫県生まれ。89年、早稲田大学商学部卒。リクルート・グループなどを経て、95年よりフリー。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がけている。インタビュー集に累計40万部を超えるベストセラーとなった『プロ論。』(B-ing編集部編/徳間書店)シリーズ、『外資系トップの仕事力』(ISSコンサルティング編/ダイヤモンド社)、『我らクレイジー★エンジニア主義』(リクナビNEXT Tech総研編/講談社BIZ)がある。著書に『新しい成功のかたち 楽天物語』(講談社)。

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読書メモ

-アクセスのピークは毎日16:00頃
--夕飯の買物の前後
--食卓の意思決定のメディアになっている

-数百万の女性が、週に1度は訪れている

-女性系ネットメディア
--ウィメンうパーク、アットコスメ、オレンジページnetなど
--女性系ネットメディアという区分けでもダントツナンバーワンのアクセス数やユニークユーザー数

-食べる人もいないのに、料理を作ってうれしい、という声はあまり聞かない
--おいしいといってもらえる機会は少ない
--自分の料理の「おいしい」を「レシピを載せる」という機能が代替

-料理をしようとする女性が検索窓に何を入れるか
--最も多いのは材料
---材料を活かしたい場合
---材料を大量に消費したい場合

-検索システム
-「白菜」と検索窓に入れるときはどんなケースが最も多いか
--多くの場合「一株丸ごと白菜がある」という仮設のもとで検索エンジンが動く
-「じゃがいも」で検索したら「メークイン」も含まれたレシピが出てこなければならない
--「メークイン」で検索したのに「じゃがいも」が含まれてしまうとユーザーが求めるレシピにはならない

-日本のWebサイトでバナー広告を出稿している量はオンライン広告レポートとして公開されている
--そのベスト10にクックパッドが入っている
--他のサイトは、Yahoo! JAPAN, mixi, 読売オンラインなど

-「料理が楽しくなる」広告でなければいけないという発想

-クックパッドで広告ビジネスが軌道に乗り始めたのはここ数年のこと

-料理が楽しくなることをやる。それ以外はやらない

-掲示板を設置しない理由
-「この調味料についてどう思うか、なんて議論をすれば、白熱するでしょう。実際、要望があるのも事実。でも、そんな議論をしたところで料理がおいしくなるでしょうか。その調味料がいいか、悪いかなんて、どうでもいいことです。大事なことは、おいしく作れることです」
-「どういうわけだか、みんな必ずいいか悪いか、という結論を出したがる」
-「大事なことは多様な価値観がちゃんと共存できること」

-佐野社長、SFCの卒業生には起業している先輩がたくさんいた
--就職してから起業した人
---就職なんてもったいないから早く起業したほうがいい or 就職して社会の基本を学んでおいたほうがいい、が半々
--就職せずに起業した人
---就職してから派とすぐに起業する派が半々
--どっちを通っても確率的に同じだけど、まわりは就職する人のほうが多かったので、すぐに起業したほうがチャンスだと思った

-カリブ海の小さな島々で
--「ガソリン車の未来に向けて電気自動車を作っても、彼みたいな笑顔は作れないな、ってそのときに思ったんです。文明をいくら発展させ、経済を拡大させたところで、その先にはアブドゥの笑顔はないんじゃないか、と。もっと生きる上での原点に近づかなきゃいけないんじゃないか。人の喜びの本質を追いかけなきゃいけないんじゃないか、と」

-料理というのは食べたらなくなってしまうもの
--他のモノ作りは何か残るけど、料理はなくなってしまうから、積み上がる感がない
--写真に撮ったりして、アルバムみたいに保存できたら意味がある

-情報の送り手側はユーザーに甘え、傲慢になっている

-「ユーザーは広告を見に来ているわけではないんです。なのに、いきなり広告を見せつけられる。これがどういうことなのか、リアルの店舗で考えてみるといいでしょう」

-投稿するのが楽しくて簡単、しかも想像以上に美しい仕上がりになる
--小説を書くみたいにレシピを作る
--入力をいかに簡単にするか。フォーマット。
---自由度とフォーマットのバランス
--レシピ投稿フォーマットでは、材料と手順の入力場所を間違えにくい構造に
---材料しか書けない文字量に制限
--かつては材料をデータベース化させたことも
---自分でやってみると「入力させられている」気持ちになるし、意外に手間がかかる

-サイトの構成要素は学習による習得効果が大きい
--「ユーザーが学習的に学んだものは、決して裏切らない。逆に、あるべきところにないとストレスです」
--「サイトのリニューアルに伴って、よかれと思ってトップページのデザインを一新してしまう、などというのは極めて慎重にやらなければいけないことなのだ。サイトを訪れるユーザーにとっては、要素の場所が変わっただけでストレスになりかねないからである」

-「クリックのデータを調査するとはっきりわかるんですが、コンテンツでも広告でも、文字数によってクリック率が変わっていくんです」
--「面白いのは、13文字を超えると可読性が下がり、24文字を超えるとさらに下がるということ。そこでクックパッドでは、なるべく8文字から13文字で伝えるようにしています」

-「本当は広告だったのに、そうではないように見せかけることは、絶対にしない」
--「広告だ、といわれて広告を見るのは構いませんが、そうじゃないと思って最後に広告だったとわかるとだまされたみたいに思える」

-クックパッドの編集長「前職を離れた理由が、見た目のいいクリエイティブばかりでつまらなかったということでした」

-モノを買うのに理由が必要な時代
--日用雑貨や食品はすでにあるから困らない
--モノを買う動機付け、モノを買う理由をつけてあげる広告
---これがあればおいしくなる、便利になる、誰々がいいって言ってた、など

-「大事なのは、きちんとロジックがあることです。でも、残念ながら日本には、建築の世界でもアーチストがたくさん混じっている。デザイナーとアーチストはまったく違うんです。ロジックがあるのがデザイナー。なぜこのドアはこっちに開くべきなのか。軸はどっちにあるべきか。動線の取り方や視線の取り方。それをプロのデザイナーはよくわかっています」

-「料理のサイトを作っていると、本当に料理がしたくなってくるんですよ」
--クックパッドの社内にはキッチンがある
--週に一度、プロのシェフに来てもらい、旬の食材で料理を作ってもらう仕組み
--社内の料理イベント
---バレンタインのお返しに男性社員が女性社員に料理をふるまう

-ノー残業手当
--月間45時間以内に残業を抑えられた月が3ヶ月中2ヶ月あれば5万円の報酬が出る

-「イワシが売られていたら50代、60代の年配者には、レシピがたくさん浮かぶ。代々教えられたものや、過去の経験があるからだ。だが、20代、30代ではどうか。それがほとんどない。つまり、流通の現場では、50代、60代向けに当たり前だった前提が、20代、30代向けでは通用しないということだ。どうして鮮度が高くて安いイワシを置いているのに、売れないのだろう、ということになる」
-「単純にいえば、食べ方も一緒に提案してあげることが重要だということです」
-「イワシについて訴えるべきは、値段や鮮度だけではないのだ。それだけで売れるのは、50代、60代だけ、だということである」

-よく考えたらここで言う女性って専業主婦だよね…「600万人の女性を虜にする」「午後4時、30代の女性4人に1人が今晩のおかずを検索する」
--http://mono.hatena.ne.jp/mono/wtmc35uTox#/nilab/wtiF3C6yYp

-2008年1月にバナー広告出稿量が多かった上位10サイト。
--http://mono.hatena.ne.jp/mono/wtmc35uTox#/nilab/wtiF3QE1HD

-日本人女性に占めるクックパッド利用者の割合。本文にある「30代にいたっては26%」ってのは誤字かな。「女性ユーザーの既婚比率は74.6%」
モノに文章を投稿 モノに写真を投稿 +3P 2分前 Add Star
--http://mono.hatena.ne.jp/mono/wtmc35uTox#/nilab/wtiF3NNkdG