ピープルウエア 第3版

読書メモ


-nilog: ピープルウエア 第3版をざっくり読了。 「開発プロジェクトで技術よりも何よりも大事なもの――それは「人」。一人一人の人格の尊重、頭を使う人間にふさわしいオフィス、人材の選び方・育て方、結束したチームがもたらす効果、仕事は楽しくあるべきもの、仕事を生み出す組織づくり、という6つの視点から「人」を中心としたプロジェクト開発の大切をユーモラスに語っている。1987年の初版発行以来、多くのソフトウエア・エンジニアの共感を呼んだ名著の改訂第3版。第3版では、時代の変化に対応し、以下の章が追加された。「リーダーシップについて話そう」、「他者とうまくやっていく」、「幼年期の終わり」、「リスクとダンスを」、「会議、ひとりごと、対話」、「E(悪い)メール」」 ピープルウエア 第3版 eBook : トム デマルコ;ティモシー リスター, 松原 友夫;山浦 恒央;長尾 高弘 (2024-01-31)
--http://www.nilab.info/nilog/?type=m01&id=111847560107846755
--

-「マネージャーのほとんどは、技術面より、人に気を配っていると思い込んでいる。しかし、本当にそうしているマネージャーは滅多にいない。実際には、技術だけに関心があるというマネジメントをしている。本来は、担当者が解決する技術的な難問を、自分で解くことに時間を割くのだ。作業をマネジメントするのでなく、作業そのものをやっている」

-「誰しも仕事に愛着を持っている。マネージャーは、むしろ働き過ぎないように、時折、気を配らなければならない。こうすると、すばらしい仕事がどんどん出来上がる」

-「仕事を命じられた場合、実際に仕事をする時間にどれぐらいを割り当てるべきだろうか?100%ではないだろう。仕事を進める上で、仕事以外の余裕の時間、すなわち「その他」も必要だ。例えば、ブレーンストーミング、新技法の調査、こまごました仕事の改良、専門書を読むこと、教育、アブラを売ることなど」

-「本来、生産性とは、1時間当たり、どれだけ多く作れるか、ということであるべきなのに、現実には、1時間当たりの賃金から、どれだけ多くを絞り取れるか、という意味にゆがめられることが多い」

-「人生はどんどん通り過ぎてゆく。洗濯物はたまる一方だし、子供はだっこもしてもらえない。奥さんの浮気の虫がうずきはじめる。人生というメリーゴーラウンドに乗れるのはたった一回、的に向かって一度しか投げられないダーツのようなもの。それなのに、きみはC++とかいうものに人生をすり減らしている……」

-「大部分の企業は、退職の統計さえ取っていない。実際問題として、熟練スタッフが辞めた場合、補充にどのぐらいのコストがかかるかは誰にもわからない。その結果、生産性を議論するとき、退職はありえない、あるいは、退職してもタダ同然で補充がきくとの前提で話を進める」

-「極端な時間のプレッシャーをかけ続けると、部下は品質を犠牲にしはじめる。問題が見つかっても、カーペットの下へそっと隠し、後回しにしたり、エンドユーザーにつかませたりするのだ」

-「開発者は自分の品質基準を当てはめる傾向があるからだ。プログラマーを満足させる最低基準は、今までに達成した最高の品質である。この水準は、マーケットが望み、金を払って手に入れようとするものよりも、ずっと高い。「マーケットは品質なんか気にしない」というせりふは大体本当の話なので、くやしくて涙が出るだろう」

-「仕事への挑戦は大切だが、挑戦自体が大切なのではない。挑戦はチームのメンバーに一緒になって努力する目標を与えるからこそ重要なのだ。挑戦は、チームを一つにまとめる道具である」

-「結束の固いチームの活動を観察すると、仲間同士の指導という、ごく当たり前の健全な行為が常に行われていることがわかる」

-「小さくて簡単な共同の成功の積み重ねという形で経験が組織される」

書籍情報


-Amazon.co.jp: ピープルウエア 第3版 eBook : トム デマルコ;ティモシー リスター, 松原 友夫;山浦 恒央;長尾 高弘: Kindleストア
--https://www.amazon.co.jp/dp/B00I96CJWO?tag=nilabwiki-22&linkCode=osi&th=1&psc=1
-->開発プロジェクトで技術よりも何よりも大事なもの――それは「人」。一人一人の人格の尊重、頭を使う人間にふさわしいオフィス、人材の選び方・育て方、結束したチームがもたらす効果、仕事は楽しくあるべきもの、仕事を生み出す組織づくり、という6つの視点から「人」を中心としたプロジェクト開発の大切をユーモラスに語っている。1987年の初版発行以来、多くのソフトウエア・エンジニアの共感を呼んだ名著の改訂第3版。
-->第3版では、時代の変化に対応し、以下の章が追加された。「リーダーシップについて話そう」、「他者とうまくやっていく」、「幼年期の終わり」、「リスクとダンスを」、「会議、ひとりごと、対話」、「E(悪い)メール」。