チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計

読書メモ


-nilog: ざっと読了。後半はかなり飛ばし読み。コンウェイの法則、逆コンウェイ戦略、長続きする小さなチーム、チームの認知負荷に合わせてソフトウェア境界を選ぶ。 「本書は高速なデリバリーを実現することを目的とした、4つの基本的なチームタイプと3つのインタラクションパターンに基づく、組織設計とチームインタラクションのための実践的な適応モデルを紹介する。これは、ソフトウェアの組織設計における大きな前進であり、チームの相互作用と相互関係を明確に定義した方法を提示することで、チーム間の問題を組織の自己運営のための貴重なシグナルに変え、結果として得られるソフトウェアアーキテクチャをより明確で持続可能なものにする。これにより組織に適したチームパターンを選択して進化させ、ソフトウェアを健全な状態に保つことで、バリューストリームを最適化するのに役立たせることができるだろう」 チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計 | マシュー・スケルトン, マニュエル・パイス, 原田騎郎, 永瀬美穂, 吉羽龍太郎 (2024-03-14)
--http://www.nilab.info/nilog/?type=m01&id=112091352541295005
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-デリバリーの手段としてのチーム
--「明瞭なチームインタラクションだけにコミュニケーションパスを限定することで、モジュール化した疎結合なシステムが生まれる」

-組織のコミュニケーション構造
--「人間は組織図の線でつながっている人たちだけとコミュニケーションするわけではない。仕事を終わらせるのに必要な相手であれば、誰とでも連絡を取る。ゴールの達成のために必要なら、ルールを曲げる。」

-「モジュールサイズを制限することで理解しやすくし、設計変更の伝播を最小限にすることで貢献しやすくする『参加のためのアーキテクチャー』」
-「人の能力を最大限に引き出すチームファーストのソフトウェアアーキテクチャーが必要」

-長続きする小さなチームを標準とする
--「チームが効果的に働くには信頼が不可欠だ。ただし、グループのサイズが大きくなると、必要なレベルの信頼関係を維持できなくなる。そうなると小さなユニットの頃のようには、効果的に働けなくなる。」
--「チームの認知負荷を制限し、チームインタラクションを促進することで、速く進めるようになる」
--「チームのサイズには制限(ダンバー数)があり、単一のチームが取り扱える認知負荷には実質的な限界がある」
--単一のチームが扱うべきソフトウェアシステムとドメインの複雑度には制限がある」

-チームのアンチパターン
--「もう1つのアンチパターンは、チームメンバーの入れ替えだ。これは、非常に不安定なチームをプロジェクトベースで作って、プロジェクトが終わったらすぐに解散するというものだ。アプリケーションの「ハードニング」やメンテナンスのフェーズに1人か2人を残して、全員いなくなる。柔軟性が高く、納期に向けてすばやく進められると思うかもしれないが、新しいチームを立ち上げたり、頻繁にコンテキストスイッチしたりするコストを見落としている。」

-変更フローを考慮した設計
--「デリバリ担当チームが職能上の枠に縛られず、同一のチーム内でシステムの設計・開発・テスト・デプロイ・運用を行うのに必要なスキルをすべて兼ね備えていなければならない」
--「本番システムからの情報のフィードバックに価値を置く組織は、ソフトウェアをすばやく改善できるだけでなく、顧客やユーザ一への対応力も高まる」

-基本的なチームタイプ
--「4つの基本的なチームタイプすなわちストリームアラインドチーム、イネイブリングチーム、コンプリケイテッド・サブシステムチーム、プラットフォームチームは、あらゆる種類のチームの「磁石」のように働く。すべてのチームは、4つの磁石のどれかに引き寄せられる。組織内のすべてのチームは、自分のチームタイプを選ぶ。そして、チームタイプに応じて、目的、役割、責任を担い、インタラクションにあったふるまいができるようにする。チームをたった4種類でシンプルに分類することで、組織内の曖昧さを減らすことができるのだ。」

-「運用チームはどこだろうか? サポートチームは? 基本的なチームタイプには、運用チームもサポートチームも含まれていない。これは意図的だ。長続きするチームがシステムを構築する。そしてそのチームは、構築したシステムの実際の運用の非常に近くにいる。運用チームやサポートチームへの「引き継ぎ」は存在しないのだ。」

-チームの認知負荷に合わせてソフトウェア境界を選ぶ

書籍情報


-チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計 | マシュー・スケルトン, マニュエル・パイス, 原田騎郎, 永瀬美穂, 吉羽龍太郎
--https://www.amazon.co.jp/dp/B09MS8BML8?tag=nilabwiki-22&linkCode=osi&th=1&psc=1
-->DXが進み、ビジネスはIT・オンラインを基準に変化が加速している。この大きな流れを受けるのがソフトウェア開発である。またソフトウェア業界としては、アジャイルやDevOpsなどの手法を開発して、時代の移り変わりの速度に合わせるように、いかに効率的にサービスを提供できるかを試行錯誤してきた。
-->本書は高速なデリバリーを実現することを目的とした、4つの基本的なチームタイプと3つのインタラクションパターンに基づく、組織設計とチームインタラクションのための実践的な適応モデルを紹介する。これは、ソフトウェアの組織設計における大きな前進であり、チームの相互作用と相互関係を明確に定義した方法を提示することで、チーム間の問題を組織の自己運営のための貴重なシグナルに変え、結果として得られるソフトウェアアーキテクチャをより明確で持続可能なものにする。これにより組織に適したチームパターンを選択して進化させ、ソフトウェアを健全な状態に保つことで、バリューストリームを最適化するのに役立たせることができるだろう。
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-->【目次】
-->PART I デリバリーの手段としてのチーム
-->Chapter1 組織図の問題
-->Chapter2 コンウェイの法則が重要な理由
-->Chapter3 チームファースト思考
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-->PART Ⅱ フローを機能させるチームトポロジー
-->Chapter4 静的なチームトポロジーチームのアンチパターン
-->Chapter5 4つの基本的なチームタイプ
-->Chapter6 チームファーストな境界を決める
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-->PART Ⅲ イノベーションと高速なデリバリーのため にチームインタラクションを進化させる
-->Chapter7 チームインタラクションモード
-->Chapter8 組織的センシングでチーム構造を進化させる
-->Chapter9 まとめ:次世代デジタル運用モデル