20代から身につけたい ドラッカーの思考法

20代から身につけたい ドラッカーの思考法

-Amazon.co.jp: 20代から身につけたい ドラッカーの思考法: 藤屋 伸二: 本
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-良書。内容が濃いので一気に読むとおなかいっぱいな感じ。
-具体例(人名とか)がけっこう辛口。

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読書メモ

-体系的な学習が必要な時代
--生涯学習が欠かせない
--先哲や他人の英知を学ぶ、新しい知識を身につける
--経験だけでは学べない時間的・空間的な広がり

-「みなさんは、多くの場合、人生の基礎を築く大事な時期に、公務員という競争のない環境に身を置く大人たちから公平、平等な教育を受けてきました」
--動物にとって2つの大事なことを教えてもらっていない
---自分で自分の身を守る術
---生存競争のなかでのエサの捕り方
---「優しさ」「ケンカもしない表面的な仲の良さ」「隣人愛」だけを教わってきた

-「経営は、いまの日本の政治のように、「現在だけ何とか切り抜けられれば将来を犠牲にしてもよい」「今度の選挙に勝てればよい」というものではありません」

-「1000兆円の借金があるのに、37兆円の税収に大して92兆円の予算を組むことなどはありえません(国の2010年度予算)」

-事業のマネジメント
--しくみづくり「組織(管理者)のマネジメント」
--社員をやる気にさせるための「人と仕事のマネジメント」

-現象と事実
--売上が悪いのは結果(現象)であって原因(事実)ではない
---「売上が悪いのはやる気のせい」と担当者のせいにするような上司になってはいけない
---現象を集めて判断をする
--「月が欠けて三日月に見える」のは現象で、事実は「月は球体」

-マーケティングとは「お客様の視点から考える」こと
--「お客様からスタートする事業の全体」
--「お客様満足のしくみを提供する」

-「「商品は良いのに売れない」と嘆くのは間違いです。売れないのは「商品が悪いから」です。会社とお客様では「良い商品」の定義が違うのです」

-「社内では、「売れるはず」「すばらしい商品のつもり」「市場やお客様のことは自分たちがいちばん知っているふり」が通用します」

-「お客様はモノではなく満足(問題解決)の手段を買う」
-「お客様と市場を知っているのは、お客様だけ」

-イノベーションは「売上や利益を生み出す」こと
--「新しい経済価値(売上や利益)を生み出す行為のすべて」
--「新しいお客様満足をつくりだす」

-「質問」が変わったのに「答え」は変わっていない
--「いつのまにか答えだけを覚えていて、質問を忘れる。そして、質問(ニーズ)が変わったのにもかかわらず、同じ答え(商品)を同じ方法で出し続ける」

-社内に「聖域」をつくらない
--三菱財閥創業者に老害がなかったのは単に50歳で無くなったから
---どんな人も失敗はするし、年をとれば能力は落ちる
--経営幹部たちは自分の身がかわいいのと創業者のカリスマに対抗できるだけの信念や知識がないために、カリスマが行った事業の廃止や縮小をためらい、そこに聖域ができる

-どんなに良かった商品も時の流れとともに売れなくなる
-事業や活動を残すかどうかは業績という形で市場やお客様が判断すること

-ダイキンのエアコン「うるるとさらら」のネーミングは伝統的な漢語表現(大清快や霧ヶ峰)を押す役員に対して、若い女性社員が熱心に訴えて実現し、大ヒット商品に

-需要と供給のミスマッチ
-業界常識と市場ニーズとのミスマッチ
-消費者の価値観と会社の価値観のミスマッチ
-理想のプロセスと現状とのミスマッチ

-プロセスニーズ(仕事の流れや流通経路への不満)
--会社はこれまでどおりのなれたやりかたのほうが効率がよいと思いこむ
--客のライフスタイルが変わり、その都合に合わせてもらいたいと思う

-人口構造の変化は将来を確実に予測できる唯一の変化
--毎年の出生数

-消費者の認識の変化
--観察だけで入手できる
--「買う商品」「買い方」「買う場所」「買うタイミング」の変化
--本当の変化か一時的な変化かすぐにはわからないので、最初は現場レベルの小規模で取り組む

-創造的模倣戦略
--技術志向の会社が開発した商品を市場志向で改善して売り出す
--高度成長期の日本
--商品だけでなく売り方も改善・変更
--すでにある技術を利用することで開発費用が抑えられる
--対象市場を変えて別の商品・別の売り方に変えることも可能

-企業家的柔道戦略
--他社が開発したけど使用していない技術、特許、しくみなどに目をつけ、さらに創意工夫を加えてシェアを奪う
--クオーツ時計の技術はスイスの時計会社が発明。しかし、既存のゼンマイ式時計の市場が崩れるのを嫌がりクオーツの技術を放置。そこでセイコーがクオーツに飛びついた。

-ニッチ戦略
--専門技術戦略
---コア・コンピタンス(中核となる技術)にもとづき、狭い分野の強い技術力を活かして専門家
---市場規模が数百億円までであれば大企業から見ると独占できないかぎり魅力に乏しい市場に映るので中小企業でその市場のナンバーワンになることができる
---事業分野はあくまでもコアとなる技術分野に限定する
---核となる技術が応用できる分野であれば業界や商品は問わない
--専門市場戦略
---市場に対する知識を中心に展開
---コンビニは日常生活に密着した便利な商品の市場について熟知し、客に必要なものを提案し、それを見つけてくるルートも確保している
---市場内であればどのような商を取り扱うかは問わない
---客が必要とするかどうか、が判断基準

-市場や商品の意味を変える戦略
--価値創造戦略
---食材の栄養価に着目して、食材としてしか売られていなかったものを健康食品にして売る。人々が高い値段をだしてでも買いたいものは「食材」ではなく「健康」だった。
--価値の意味を変える戦略
---「あなたがコピーをするとき、コピー樹がほしいのですか? コピーがしたいのですか?」コピー機を買い取りからレンタル方式に。

-課題設定
--お客様は誰か
--お客様は何を買うか
--お客様はどこにいるか
--お客様にどうやって到達するか

-新規事業では10人中4人が賛成したらタイミングを逸している
--普通の人にとっては、いま自分が経験していることがすべて
--すでに原因は起こっているのに、まだ社会現象として表面化していない分野にチャンスがある

-市場の細分化(セグメンテーション)
-市場での地位(ポジショニング)

-特定の客層が望む要素を2つ3つ、他社に負けないレベルまで引き上げればそれがセールスポイントになる

-どのような仕事でも「あるとやってしまう」
--体系的に廃棄する
--優先順位の低いもの、使わないものから順番に捨てて(やめて)しまうルールづくり

-結果目標(結果指標)
--利益、売上、マーケットシェアの目標
-先行目標(先行指標)
--イノベーション、生産性、人的資源、物的資源、資金、社会的責任

-リーダーシップにカリスマはいらない
--カリスマといわれた経営者は最後まで良い経営をした人は少ない
---帝人の大屋晋三氏やダイエーの中内功氏は名経営者だったがカリスマゆえに晩節を汚した

-月給30万円の人なら1時間あたり3000円のコスト
--間接経費を含めた年間費用は月給の20倍の600万円、それを年間労働時間の2000時間で割る

-意思決定の6つの手順
--問題の分類
---正しい質問。何が問題なのかがわからなければ、正しく答えようがない。
--目的の明確化
---意思決定のゴールを明らかにする。必要な条件と制約条件も明らかにしておく。そうすれば現実的な意思決定になる。
--複数の解決策の作成
---意見が対立することで深く広く考えるように
--実行手段への落し込み
---どのような案も誰かの責任のもとでスケジュール化されないと実現しない
--徹底的な実行
---できるまでやり抜くことが唯一の成功の秘訣
--結果の評価
---なぜ良かったか悪かったかを評価して次に結びつける。計画・実行・評価が賢い仕事術の基本。

-意思決定
--判断であり、選択肢からの選択
--はじめから「事実」はわからない。「意見」からスタートする。
--何が事実であるかを確認するため、評価基準を決めておく
--仮説が出発点。仮説は検証しなければならない
--意見の不一致が重要。反対意見だけが選択肢を与え、想像力を刺激する。
--ある意見が、筋が通った道理的なものであれば、「その人が見ている現実は何か?」を自問すること
--選択肢がなければ、検討が甘くなる
--「1つの行動だけが正しく、他は間違っている」という仮説からスタートしないこと
--議論のための議論、対立のための対立には意味がない

-イノベーションを起こす6つの習慣
--ビジョンと目標をもつ
--継続的な勉強の方法を知る
---ドラッカーは2〜3年ごとに新しい勉強テーマを見つけて取り組んだ。それにより新しい知識だけでなく、新しい体系やアプローチ、手法を学ぶことができた。
--自分の仕事の評価を仕事のなかに組み込む
---集中しなければならないことは何か?
---改善しなければならないのは何か?
---新たに覚えないことは何か?
--目標や行動を記録して結果と比較する
---自分の強みと弱みを知る。学ばなければならない内容や、直さなくてはならない癖がわかるように。
--新しい仕事が要求するものを徹底的に考える
---「新しい仕事で成果を上げるためには何をしなければならないか?」を自問すること。その答えは、つねに違う。
--自分の成長と人事に自分で責任をもつ
--自分の生涯を異議あるものにするために「自分はどのようなことをした人として記憶されたいか?」を自問する。そしてそれは、年齢とともに変わらなければならない。