みんな違う。それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと

読書メモ


-nilog: 『みんな違う。それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと。』を読了。参考になる。 「結局、建設的なリーダーがうまくいく。組織で起こりがちな「恐怖によるモチベーション」と「正義感による分断」をアドラー心理学に基づいた、ちょっぴりドライで優しいリーダー論で解決」 「アドラー心理学では、ものごとを 「正しい/間違っている」「良い/悪い」といった視点で判断するよりも、「建設的/非建設的」といった視点を大事にしています」 「自分が所属するチームや会社にとって、「建設的かどうか」「有益かどうか」が重要なのです」 みんな違う。それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと。 | 岩井俊憲 (2024-02-08)
--http://www.nilab.info/nilog/?type=m01&id=111893100318341795
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-アドラー心理学では人間関係を「横の関係」でみなす
--「上下関係」で人間関係をとらえることは、精神的な健全さを失う

-アドラー心理学では、ものごとを「正しい/間違っている」「良い/悪い」といった視点で判断するよりも、「建設的/非建設的」といった視点を大事にしている

-「判定・ジャッジ」より、「解決策」
--「正しい/間違っている」「良い/悪い」は、判定・ジャッジになるだけで、解決にはなりづらい
--「良い」「正しい」を判断するよりも、「今から、何ができるか」という解決策に注力するほうが「有益」であり、「建設的」
-部下同士の意見が違っても、どちらかを「裁かない」
-部下の考え方が「違うな」と感じても、「正さない」
-お互いに価値観の違いがあっても「批判しない」
-「今から、目的のため、未来に向かって、何ができるか」の解決策をリーダーも部下もお互いに考え、話し合う

-「気持ちを汲む」よりも「解決策を話し合う」
--意見の違いに対して、意見をじっくり聞くよりは、「これからどうするか」を話し合う

-アドラー心理学は、「共同体」の視点をとても大事にしている

-チームで仕事を進めるために大切なこと
--フラットな関係: リーダーと部下は、あくまで「役割の違い」にすぎない
--価値観や意見の違いに注目するのではなく、「今から、何ができるか」という解決策に注力する
--「チームのために」「組織のために」「社会のために」、協力し合う・貢献するという考え方をもつ

-どんなときも建設的な方向に進むことはできる
--与えられたものをどう使いこなすか
--重要なことは、人が何を持って生まれたかではなく、与えられたものをどう使いこなすか

-環境の影響は受けるが、決定打ではない
--どんな環境に置かれようとも、「自分の進む方向性は自分で決めることができる」「建設的な道を選べる」

-怒るだけで終わらずに「怒りの目的」を知る
--「「部下」が相手のときだけ、イライラしやすい、不機嫌になりやすい人は注意が必要です。「怒り」は、相手役が「弱い立場」のときに向かいやすい傾向があるからです。」
--自分の感情を整理して、無駄に怒りに振り回されないようにする
--怒りの相手役は誰で、何が目的なのか
--イライラしたり、カチンときたら、「その目的の底にある本当の私の気持ちは何なのか」を考える

-劣っているからこそ成長できる
--人間は進化する可能性をもっている
--目標と現実の間にギャップがあり、目標に向かって意志をもって近づこうと努力するからこそ成長する

-劣等感は「どう活かすか」が重要
--劣等感を「健康で正常な努力と成長への刺激」
--劣等感を建設的な方向に活かすのか。それとも自己否定の材料にしてしまうのか。

-人は協力し合うから進化してきた
--「誰かのために」を大切にする

-共同体感覚
--共同体に対する「信頼感」「貢献感」「所属感」などを総称した感覚・感情
--共同体感覚は、単に仲良くすることではない
--ビジネスの場面での共同体感覚: 信頼関係やパートナーシップがお互いにあるうえで、お互いの共通の目的のために、それぞれが『何ができるか』を考えること

-同じ状況であっても、「建設的」な方向に進むか、「非建設的」な方向に進むか、自分で選べる
--たとえ困難な状況であっても建設的な道を進むことが重要
--「今から、何ができるか」という解決策に注力する

-誰かと比べて主観的に自分を劣等だと感じる「劣等感」を否定しない

-価値観がズレたら、修正していく
--所属する共同体にとってより建設的な感覚を「共通感覚」ととらえる
--チームや会社の中で、大勢を占める感覚と自分の感覚とがかけ離れていて、かつ建設的で健全でない場合は、歩み寄る姿勢が大事
--「多くの人の視点」を借りて考える
---より多くの人の視点、より広い視点を借りて考えたほうが、より建設的な考え方であり、常識的だと考える
---まわりの意見を聞き、自分の感覚を「チューニング」していく
---「職場」より「一般社会」の視点で考え直す
---「職場」より「一般社会」の視点で考え直す
---「絶対」「必ず」などの決めつけをしない

-ミスや失敗を指摘する際は「事実の指摘」をする
--極端な言い方を避け、事実を淡々と述べる

-「みんな」「全部」などと大げさに言わない
--「みんな」という言葉でまとめてしまっては現実を見誤る

-たった一回の失敗で「いつも失敗する」と思わない

-「べき」「ねばならない」を手放す
--「べき」「ねばならない」が強い人は、自分で自分をルールで縛ってしまう
---やりすぎて苦しくなってしまう
---相手に押しつけるようになると、ルールばかりで相手も苦しくなり、人間関係がギクシャクする
--「リーダーになったら「べき」「ねばならない」をなるべく手放すようにするしましょう。部下と不必要な衝突を避けるためにも、自分の心を守るためにも大切なことです。」

-人間は、誰もが独自のものの見方・とらえ方をする
--自分だけのメガネを通して現実を見る
--それぞれに私的論理がある
--私的論理が極端に歪んでしまっている場合は注意する

-課題の分離
--最終的に「ちゃんと仕事をするかどうか」は究極的には、「部下の課題」
--勝手にもってしまった期待はリーダーの課題
--「契約書類をなくす」など、明らかに会社にとって損失で、上司も責任を被るときは、「リーダーの課題」であり「部下の課題」になり「共同の課題」になる

-お互いに考え、一緒に解決する
--部下を「対等のパートナー」として扱う
--部下から相談された場合は、問題を解決する方法を、必ず「リーダーと部下が共同で考えること」が大切
--「部下から相談された場合、それを放っておくと、部下は「自分を大切に思ってもらえてない」と感じがちです。それがもっと大きくなると「リーダーに相談してもしかたがない」と思い、相談しなくなることもあります。ですので、できるだけ相談にのったほうがいいでしょう。ただ、ここで気をつけなければいけないのは、「相談にのる」と「要求を受け入れる」は違うということです。そこははっきり切り分けて考えておかなければなりません。「相談にのる」=「要求を受け入れる」ではありません。」

-「チーム目標のためにできること」を一緒に考える
--お互いが「共同の課題」を共有したうえで、自分がそれに対してできることはないかを考え、提案し、行動することが大切

-「価値観が多様化している今、部下が何をどのように考えるかは読めない。なら、読めないままでいい。関わりすぎない。」

-部下の課題は部下が解決すべき課題
--「「してあげたい」という心配からでも「すべき」という怒りからでも、「部下の課題」に立ち入らない」
--ごちゃごちゃになったら、「課題の分離」をして課題を整理する

-「共感」を「同情」と勘違いしない
--自分を超えた立場で状況を見ること
--自身だけでなく「状況」や「相手」を見ることが必要
--相手の感情・思考・状況を、頭で考える

-「目的」と「目標」の違いを意識する
--「「目的」とは「“何のために、この仕事をするのか?」です。目指すべき〝的になります。「目標」は「“どこに向かって、この仕事をするのか?」です。目指すべき標ということです。」
--「「年間売上1万個を目指す」は「目標」です。その先にある「多くのお客さんの暮らしをラクにする商品をつくる」が「目的」です。」

-期待していることを部下に伝える
--目標を共有するだけではなく「あなたには○○のことをしてほしいと思っています」「君には、○○のような役割を果たしてほしいと思っています」と期待も同時に伝える
--「期待する」ということは、「役割を与える」ということでもある
---役割がある人はチームに対して貢献しやすくなる

-「なぜ」は解説になっても、解決にならない
--同時に「今後どうしたらいいか」という解決策もセットで考える
--建設的な人は「どうやって」で考える
--「なぜ」は「相手を責める言葉」に聞こえがち
--「なぜ」とできない理由を聞くよりも、「どうやって」できるようになるか、「何のために」できるようになりたいかを聞く

-部下に注意を伝えるときの二つのポイント
--注意をするとともに「期待を示す」ことが大事
--「怒る」は、ただの感情を発散するだけになってしまう
--「叱る」は上下関係を感じるものになる

-「長所」に目を向ける
--良いところを見つめ、良いところを活かして、協力し合うほうが、ものごとは進みやすい
--「人間を、肯定的に見るか否定的に見るかによって、部下への接し方、仕事の進め方はもちろんのこと、ひいては生き方も変わってくる」

-リーダーは、「大きな視点」で見る
--より大きな視点、より広い視点こそ、合理的で建設的
--ものごとを見るときも、人間を見るときも、「大きく」「広い」視点で見る
--「仕事で部下に目標を話すときも、まず、全体の目的、大きな目標から話します。「目的はこれです」と大きな視点を示したあとで、「なので、あなたはこの目標をまず、取り組んでもらえますか」と細かい目標設定を示すのです。」

-リーダーは「目的・目標」を示すことが重要
--「目的」と「目標」は違う
--「目的」は、目指すべき的。「何のために」とも言い換えられる。
--「目標」は、目指すべき標。「どこに向かって」とも言い換えられる。

-部下に注意する際には「なぜ」と問わない
--解説になっても解決にならない
--「何のために」「どうやって」できるようになるかを尋ねる

-目標を追い求めすぎたら「そもそも」の視点で目的を思い出す

-正義感による分断
--「「私/私たちは正しい」と主張する正義感には必ず「悪い」「間違っている」「正しくない」とみなす敵対者が存在します。この敵対者を想定すればするほど、自分たちの正当性を強化し、ますますその度合いを強め、お互いの距離を広げます。」

書籍情報


-みんな違う。それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと。 | 岩井俊憲 | 組織論 | Kindleストア | Amazon
--https://www.amazon.co.jp/dp/B0B799PQJ4?tag=nilabwiki-22&linkCode=osi&th=1&psc=1
-->結局、建設的なリーダーがうまくいく。
-->組織で起こりがちな「恐怖によるモチベーション」と「正義感による分断」を
-->アドラー心理学に基づいた、ちょっぴりドライで優しいリーダー論で解決。
-->
-->【「はじめに」より抜粋】
-->アドラー心理学が、今の多様化し、フラット化した職場にこそ役に立つと私が思う理由は、大きく三つあります。
-->
-->①アドラー心理学は「横の関係」を大切にしている
-->
-->アドラー心理学では、人間関係を「横の関係」でみなすことを大切にしています。
-->親子関係、教師と生徒、カウンセラーとクライアントでも「上下関係」ではなく、
-->「同じ人間」「フラットな関係」ととらえるのです。
-->これは会社組織でも、もちろん同じです。
-->今は、あなたがリーダーで、部下は立場上、部下であるけれども、
-->上下関係ではなく、役割の違いにすぎないのです。
-->フラット化した今の職場にとって、とても合った考え方といえます。
-->
-->②アドラー心理学は「建設的」という視点を大切にしている
-->
-->アドラー心理学では、ものごとを 
-->「正しい/間違っている」「良い/悪い」といった視点で判断するよりも、
-->「建設的/非建設的」といった視点を大事にしています。
-->
-->リーダーなら、部下同士の考え方が合わない、
-->意見がぶつかる場面に立ち合うこともあるでしょう。
-->価値観が多様化した今なら、なおさらです。
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-->そんなときにこそ、この「建設的」「有益」の視点を大切にしてほしいのです。
-->「今から、目的のため、未来に向かって、何ができるか」の
-->解決策をリーダーも部下もお互いに考え、話し合う。
-->こうした姿勢が大切なのです。
-->
-->③アドラー心理学は「共同体・社会への貢献」を大切にしている
-->
-->さらに、アドラー心理学は、「共同体」の視点をとても大事にします。
-->
-->「共同体」とは、「人間の複数体」の意味で、
-->家庭や会社、地域社会、国家のことなどです。
-->
-->先ほど「建設的」「有益」という視点が大切だと言いました。
-->しかし、これには「自分にとって」だけではなく、
-->「チームにとって」「会社にとって」が加わるのです。
-->
-->自分が所属するチームや会社にとって、
-->「建設的かどうか」「有益かどうか」が重要なのです。
-->つまり、アドラー心理学は、
-->「チーム」「組織」をとても大事にする心理学なのです。
-->
--><目次> 
-->1章 「建設的」な視点をもつ
-->2章 価値観をチューニングする
-->3章 部下の言動に反応しすぎない
-->4章 安心・信頼できる職場をつくる
-->5章 目的・目標を掲げ続ける