月3万円ビジネス 非電化・ローカル化・分かち合いで愉しく稼ぐ方法

月3万円ビジネス 非電化・ローカル化・分かち合いで愉しく稼ぐ方法

-Amazon.co.jp: 月3万円ビジネス: 藤村靖之: 本
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794967616/nilabwiki-22/ref=nosim/
--->内容(「BOOK」データベースより)
--->非電化の冷蔵庫や除湿器、コーヒー焙煎器など、環境に負荷を与えないユニークな機器を発明する藤村靖之さんは、「地方で仕事を創る塾」を主宰している。発明は、社会性と事業性の両立を果たさねばならない。真の豊かさを実現するために、「月3万円稼げる仕事の複業」「地方で持続的に経済が循環する仕事づくり」「“奪い合い”ではなく“分かち合い”」など、藤村さんの考え方と、その実例を紹介する。
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--->著者について
--->藤村靖之(ふじむら・やすゆき)
--->1944年生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻博士課程卒、工学博士。日本大学工学部教授。非電化工房代表。地方で仕事を創る塾主宰。科学技術庁長官賞、発明功労賞などを受賞。非電化製品(非電化冷蔵庫・非電化掃除機・非電化住宅など)の発明・開発を通してエネルギーに依存しすぎない社会システムやライフスタイルを国内で提唱。モンゴルやナイジェリアなどのアジア・アフリカ諸国にも、非電化製品を中心にした自立型・持続型の産業を提供している。
--->著書に『テクテクノロジー革命』(辻信一との共著 大月書店)、『愉しい非電化』(洋泉社)、『さあ、発明家の出番です!』(風媒社)など。

-ちょっと煽りすぎな文章とか、現実的に生活できるかどうなのとか賛同しづらい点は多いけど、実例はなかなかおもしろく興味深い。

読書メモ


-「月に3万円しか稼げないビジネスには競争も生じません。だから仲間と協力して進めることができます。みんなで生み出して、みんなで教え合う……「分かち合いのビジネス」が実現できるかもしれません」
-「グローバリズムの未来に明るい絵を描くのは、もはや脂ぎったオジサンだけでしょう。多くの人が真の豊かさを求めて、ローカル化を指向し始めました」
-「「奪い合いのビジネス」ではなく、「分かち合いのビジネス」」

-月に3万円しか稼げないビジネスを10個やれば月30万円になる
-いい人がいいことしかやらないビジネス
-地方で支出が少ない生活スタイル
-卸売りはしない
--流通にお金がかからない

-「「潜在的な強い欲求に感動的な商品を提供する」というのが、新しい商品を生み出す時の鉄則」

-「多くの場合、先に原価と経費が決まってしまいます。原価+経費に利益を載せて価格が決まります。「価格よりは価値が高いぞ」と客に思い込ませるのが営業と心得て、宣伝や説得に知恵の限りを尽くします。ほとんどがこのパターンを辿ります。こういうやり方で売れるのは、金余りの時代だけです」
-「先ず一番に価値を定めます。自分勝手に定めるのではなく、買う立場の人に確かめます。次に、客が感じる価値よりも安い価格を定めます。その後で、原価+経費が価格よりもウント安くなるように、作り方と売り方に知恵の限りを尽くします。知恵の限りを尽くせば、大抵の場合にこの方程式は解けます」

-「経費の最たるものは営業経費です。例えば建売住宅。日本の住宅の価格はアメリカの住宅の2倍というのは、よく知られた話です。営業経費が全部の経費の3分の1というのが理由の一つということも周知です。例えば、家電製品。製造原価は標準小売価格の20%以下ということは良く知られていることです。残りの80%の半分以上は流通経費を含む営業費です。例えば家具。家具の小売店の仕入れ価格は定価の約30%。70%がいわば営業経費です。なぜ70%かと言うと、展示に大きなスペースを要する上に、時間が経つと古びてきて売れなくなるからです。通販だと家具が安いと感じるのは、展示スペースと売れ残りがゼロだからです」

-ワークショップ
--一緒にモノを作る
--参加者が仲良くなる
--「出来上がったものを売るよりも、一緒に作ったほうがいい」(有料で)
--「一番大切なことは「愉しさ」です。「モノが上手くできさえすればいいだろう」という理科系オジサンみたいなセンスでは困ります。愉しさを演出することに注力してください」

-エコビレッジ

-卵を1日20個売るビジネス
--50円 x 20個 x 30日 = 月3万円
--雌鶏を平飼いして上質の鶏卵を
--客は都市部の住人(社会活動や文化活動の仲間から)
--いい餌を只で -> 人の食べ残しを中心に
--夏涼しく冬暖かい鶏小屋を自作
--隣接する都会で販売
--鶏糞を有機肥料に

-バッテリーをリフレッシュするビジネス
--リフレッシュの機械は500万円以上するので、5万円で自作
--月に6個(@5000円)リフレッシュすることで月3万円
--客は216人。バッテリーが3年に1度使えなくなるとすると年に72人
--新品バッテリーの購入の半額でリフレッシュ
--バッテリーに「僕に言ってね」ラベルを貼りつけてもらう
--リユースは環境に優しい、という意識の共有

-出張石窯作りワークショップ
--発注すると100万円。材料費だけなら10~20万円。

-有機野菜の朝市、オーガニック・マルシェ
--道の駅の朝市では農薬を使った出展者への配慮なのか、「無農薬」などの表示ができない。だから、無農薬栽培者へ場所を提供する。

-シェアーするマタニティウェア
--素敵なマタニティウェアが5万円する
--5着ほどまとめてオーダーメイドして、1着当たり1万円以下で入手。
--新品以上にリストアする
--「強化剤のような薬剤は一切使いません(中略)こだわり過ぎるとお思いかもしれませんが、妊娠中はデリケートなのです。安全過ぎるくらいが丁度よさそうです」

-「一般の野菜ビジネスはお客の需要に合わせて農家が提供します。しかし工業製品と違って、野菜の出来高は天候に左右されて変動します。だから需要に合わせるためには、生産を過剰にしておかなくてはなりません。実は野菜が高い理由の一つはこれです。余った野菜は、価格を暴落させないために捨てられていることは周知です」

-オーガニック弁当ビジネス
--子どものための安心弁当
--6品目弁当(6品目ダイエット向けに)

-買物代行サービス
--日本には買い物難民が600万人
--ネット通販は強い人、金を持っている人のための便利サービス
--軽トラックで回れる範囲内で
--1回800円
---「便利屋さん」「何でも屋さん」に頼むと1回3000円ぐらい

-酵母ビジネス
--糖度が高く、コクの有るジュースを選んで酵母を入れて待つだけでワインができる
--ヨーグルト

-「人がモノを買うか買わないかと決断の分かれ目は、「いいものが安い」という合理性がすべてではありません。「愉しいから買う、不愉快だから買わない」という要素の方が時には大きいこともあります」

-仕事をスローにして、暇な専門家を活用する
--イベント連動型カフェ
---文化性が高く居心地の良いカフェでイベント

-「日本人は平均すると地球を4分の1周運ばれた食料を口にしている」

-自給を促すビジネスは、なるべく細分化して考える
--道具、材料、ノウハウ、仲間、きっかけの5点セットで提供
---5点バラバラでは参加しない
---「理系の人は道具だけを提供しようとする。得意技だからです。文系だけど理屈が好きな人はノウハウだけを提供したがる。体育会系の人と宗教系の人は仲間だけを提供する。これはまずい。誰も動かない。そうではなくて、5点をセットで提供するのがいい」

-自給を愉しむためには「自分たちで作ることを好む文化」が必要
-「適度な生産活動は、やり始めれば誰でも好きになるものですが、依存社会に慣れすぎた人の中には「自給=惨め」という文化の持ち主も少なからずいて、拒絶反応を示すかもしれません」
-いきなり自給率を高めすぎない

-売るよりも教える
--ワークショップ

-「従来の競争型のマーケティング理論では「市場の成長」と「競争優位性」のみを考えます。両方共に満たされるように「投資」を行います。お金は投資家か銀行が用立ててくれます。もちろん投資回収の見込みは必須です」

-「僕たちの世代は過激でした。安保闘争、公害紛争、大学紛争……と、若い頃はデモの先頭で旗を振ってばかりいたような気がします。レーニンや毛沢東の本を読んで、解ったような気分になって「正義」を振りかざしていました。どうやら自分に酔っていたようです。だから自分をヨレヨレになるまで追い込みます。大きなことばかり叫びます。自己陶酔の極みです。でも余裕が無い。余裕が無いから攻撃的になり、挙句の果ては孤立して挫折します。こんなことの連続だったような気がします。30年もこんな人生を送ってきて得られた教訓はたった一つ。「人は正しいことが好きなのではなくて、愉しいことが好きなのだ」ということでした」
--「「大きいことを言うだけ」はオジサンに任せて、いいこと、小さいことをみんなで愉しくやる。小さければ小さいほどいい。その方が直ぐに取り掛かれるし、誰も反対しない。結果もでやすい」

-非電化冷蔵庫

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-著者のサイト
--Atelier Non-Electric 非電化工房: http://www.hidenka.net/