茂木 健一郎『脳を活かす仕事術』

茂木 健一郎『脳を活かす仕事術』

-Amazon.co.jp: 脳を活かす仕事術: 茂木 健一郎: 本
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-良書。

-感覚系学習の回路: 見る・聞く・感じるなどを通した情報の入力を司る領域
-運動系学習の回路: 実際に手足を動かして情報を出力することを司る領域

-脳の特性は人によって千差万別
--大切なのは誰かのやり方をそのまま真似することではない
--自分の脳が喜んでくれる方法を自らの手で探し出す

-喜びの中で「脳の出力と入力のサイクルを回す」

-相手に自分の考えを説明してまとめる「talk through」

-感覚系回路からインプット、運動系回路でアウトプット、再び感覚系回路でインプット。このサイクルが成立して初めて感覚系と運動系が同じ情報を共有できる

-感覚系の学習が進みすぎてしまうとより完璧な出力を求めるようになってしまう

-アウトプットを客観的に観察
-アウトプットをまずは「自分がどう思うか」を素直に考える

-情報の整理や暗記に頭を使わないこと
--細かい情報は破棄したほうが、脳の活動のほとんどを"思考"や"創造"にあてられる

-英語が読めないことは大きな機会損失
--インターネットを前提とした現代において情報に関するノウハウは各国の言語を習得することに

-ブログを書く行為は自分の行動を変えるのに最も適したツール

-集中力が続かないとき、思考が行き詰って進まないときは手や口以外の部位、たとえば足を動かして頭を切り替える
--椅子から立ち上がる。コーヒーを入れに行く。トイレに行く。

-深部感覚を洞察し自分の生産性が上がるパターンを見つける
--イチロー選手は、毎回「同じパターン」を細部にいたるまで厳密に再現することで、「集中力」や「うまくいく時の感覚」といった、目に見えないものをコントロールしている

-前頭葉が生み出す意欲も、経験がもとになっている
--「感動する」という体験
--いいものをたくさん見聞きする

-人間の脳にはひらめきをキャッチする回路が備わっている
--ACC(前部帯状皮質)
--LPFC(前頭前野外側部)

-「やりたいこと」と「周囲の期待」を両立させる
--「脳科学者」としてのコメントを求められる
--「脳の話だけしていればいい」と言われている気分に
--あるとき「脳科学者という肩書きなのだから脳について答えるのはあたりまえ」と気づく
--まず「世間の期待」に応えて、それから「自分のやりたいこと」をやる

-人間の脳は不確実性など、いわゆる「ノイズ」や「ゆらぎ」を大切にしている組織
--ノイズがないと人間は感情やコミュニケーション能力、創造性を発揮しづらくなる
--メリハリが大事
---人と会うときは、脳のシャットダウン機能を切って「ノイズ」を受け入れる
---集中して勉強や作業をするときは、邪魔なものを徹底的に排除する

-脳のミラーニューロン
--他人の動作を見ているとあたかも自分がその動作をしているかのような働きをする
--自然に他人の振る舞いが自分にうつってくる

-脳のモードを切り替えるとストレスに強くなる
--集中モード
--リラックスモード
--本気モード
--一人で仕事してるときのモード
--人に会って楽しく会話をするモード
--日本語が完璧にしゃべれる外国人に話しかけられたときのモード
---なぜかつい英語っぽい発音で日本語をしゃべってしまうのは「自分は英語がしゃべれないけど大丈夫かな、相手に伝わるようにちゃんと話さなければ」という緊急事態に脳が果敢に対応しようとしている状態
--自分がそんなに好きでもない異性から言い寄られて『めんどうくさいな』と思っていたところ、その異性に自分以外の別の恋人ができた時にしか出てこないモード
---ちょっとホットしたような、がっかりしたような、同時に「なんだよ」といった、複数の感覚を覚えること

-モードを操るには無意識を操る
--無意識は実際に身体を動かすことでしかコントロールできない
--帰宅時、会社での仕事をひきずる -> 積極的に自分でモードを切り替える
--リラックスできる状況を考えてみる
---ペットと接しているときにリラックスできると感じていたなら、ペットとたわむれてみる
---風呂に入ることでリラックスできるなら、風呂に入って脳のモードを切り替える

-コンピューターゲームの最大の欠点は「その世界(ゲーム)のルールは既に決められている」ということ
--メタ認知の能力
---自分たちの置かれている状況を外から見て、ちょうど面白いようにルールを決める

-一芸に秀でるためには総合力が必要
--総合力の強化
---雑種性、雑菌性を身につける
---様々な文化や未知の世界に触れて経験することで身についていく
--ひとつのカルチャーしか知らない人は弱い
--自分が所属している組織の文化しかしらない人は頼りない

-なるべく多くの「リアル」に触れる
--脱抑制
--リミッターを解除する
---「失敗したら恥ずかしい」「どうせかなわない夢」「毎日忙しくて時間がない」という自分の中にあるリミッター
--人間の脳は「リアルに触れると本気になる」という特性がある

-人生を豊かなものにするために欠かせない2つ
--火成論的: 火山が爆発するような発作的な行動など
--水成論的: 自分の人格や世界観を培う時期

-時々、アウェー戦をやると脳は大きく伸びる
--ホーム: 自分の得意分野、専門として豊富な経験がある領域
--アウェー: 自分の苦手な分野、あまり経験を積んでいない領域

-一番の理想は自分で「需要」を作り出すこと

-小さなイノベーションを積み重ねていく
--職場の雰囲気を良くするために定期的に職場に花瓶と一輪の花を飾るのも立派な改革
--大切なのは「喜びの回路」を切らさないこと

-脳の記憶のメカニズムから見た場合の英語上達法
--英語のシャワーを浴びる
--脳の側頭葉の記憶のアーカイヴに英語に関する「エピソード」を蓄積する
--エピソード記憶
--「あたたかい」という言葉を何回も聞くうちに自然にその意味がわかってくる
--英語は試験のためにあるのではない。インターネットの発達によってグローバル化した世界で自分を表現するためにある。

-仕事の大半は「教師なし学習」
--喜びを生み出す行動はやや無理めの課題を達成すること

-自分の正体を簡単に決めつけるな
--「自分は○○をする人間だ」と定義することは「変わり続ける」ことを否定している
--脳は変わり続ける器官