インビジブルハート 恋におちた経済学者

インビジブルハート 恋におちた経済学者

-Amazon.co.jp: インビジブルハート―恋におちた経済学者: ラッセル ロバーツ, Russell Roberts, 沢崎 冬日: 本
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4535552975/nilabwiki-22/ref=nosim/
--->本書の主役は、政府の介入をできる限り排除する資本主義市場が良き結果をもたらすと確信する若い高校教師サムと、温情主義的福祉政策や企業の慈善事業への寄付などが好ましいと考えるサムの同僚の女性教師ローラの2人。資本主義市場と選択の自由尊重のサムは経済学では新古典派的立場であり、温情主義的な政策介入を必要とするというローラの立場は、福祉の分野では福祉国家論であり、経済政策の分野ではケインズ派になる。そのほか温情主義的な政策を批判するサムを誤解する高校関係の有力者やローラの兄、それに政府立場を代表する人物も登場し、おもしろく読ませながらそれぞれの立場と経済学のホットな論議を理解させる新型の「小説」である。題名の「インビジブル・ハート」は、アダム・スミスの「神のインビジブル・ハンド」をもじったものであり、人々の利己的行動が、社会的に好ましい結果をもたらす市場メカニズムを示す。題名からも示唆されるように、最後に全く考えの違う2人のハートが交流し、それぞれの立場を理解するにいたるという筋である。
--->しかし、どちらかといえば自由市場論に対する世間の誤解を解き、政府の規制を排し選択の自由と市場による経済秩序のほうが好ましい結果になることを理解させようとする立場の本である。ミルトン・フリードマン夫妻の「選択の自由」がサムの立場に近いが、本書はより日常的言葉で選択の自由と市場重視がなぜ好ましい結果をもたらすかを、わかりやすい事例を通じて理解させる。
--->しかし、実は、経済問題は自由な市場が良いか政府の計画的介入が良いかは一概には言えない。領域によって異なるからである。たとえば医療や福祉の問題でも生存や安全にかかわる領域は公正と連帯を目的として計画原理で保障し、その他の領域では市場原理で効率を追求にする。こうしたシステムの組合せによって複数の目的を同時に達成できるという福祉ミックス論の立場もある。(丸尾直美)
---> 
--->内容(「BOOK」データベースより)
--->ワシントンDCにあるエリート高校で経済学を教えるサム・ゴードンは、政府による規制は有害であり、人類は自由な経済市場のもとでこそ繁栄すると信じている。一方、同僚のローラ・シルバーは、ウォールストリートジャーナルよりもワーズワースを好む文学者。政府は、消費者や労働者を市場の暴挙から守るべきだと考えている。この二人をめぐる物語と並行して、政府監視機関のリーダー、エリカ・ボールドウィンの正義の実現に向けた闘いが展開される。この二つのドラマはどう結びついているのか?エリカは、冷酷なCEO、チャールズ・クラウスの不正を暴くことができるのか?辞職に危機に追い込まれたサムに打開策はあるか?ローラはアダム・スミスを崇めるような男を愛せるか?その答えが明らかになるとき、あなたはビジネスや市場がいかにしてわれわれの生活を変えていくのかを学ぶことになるだろう。
---> 
--->内容(「MARC」データベースより)
--->規制は不要・有害、ビジネスでの成功は美徳だと信ずるサム。ワーズワースを愛し、資本主義は横暴だと考えるローラ。2人は違いを乗り超え、結ばれるか? 経済学とロマンスの粋なカクテルの物語。