経済危機のルーツ モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか

経済危機のルーツ モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか

-経済危機のルーツ ―モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか | 野口 悠紀雄 | 本 | Amazon.co.jp
--http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4492395326/nilabwiki-22
-->日本経済停滞の真因は、80年代からの世界大転換にあった。未来を知るために歴史を振り返る。

読書メモ


-nilog: ざっくりいうと金融、インターネット、ITすばらしい。もっと専門教育。脱工業化。失われた20年は日本語とドイツだけ。って感じ? - 経済危機のルーツ / 野口悠紀雄 (2011-02-09)
--http://www.nilab.info/nilog/?type=twitter&id=35177617963360256
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-アイルランドが急成長できたのは教育と海外からの直接投資、60年代に中学教育無料化、96年に大学を無料化、おかげで若い人の理工系大卒率が23.2%でアメリカ10.2%やドイツ8.2%に比べて高い教育水準→優秀な労働力&低賃金←MSなどのIT企業が投資。

-「北海道は面積がアイルランドをほぼ同じで、人口は1.5倍程度だ。だから、北海道は、政治の力に頼って公共事業を誘致することばかり考えず、アイルランドをモデルにして世界から直接投資を呼び込めば、倍の豊かさになれたとも言える。ただし、それには、英語を使えることが前提だ」

-「小国には自国語で大学の教科書を作るほどの人口はいないから、高等教育の教科書はどうしても英語になる」

-「90年代の発展は、ヨーロッパの周辺国において実現した」

-冷戦終結、中国工業化、金融、IT。中国製造業労働力が急増したのに日本は対応できなかった。ITは新しい産業革命なのに日本は対応できなかった。21世紀はモノを輸出するグローバリゼーションだけではないのに日本はほぼ鎖国状態。
--「80年代後半のバブルが崩壊した影響でもないし、高齢化・少子化でもない。また、よく言われるようにデフレでもない。基本的な原因は、90年代以降の世界経済の大変化に、日本が対応できなかったことである」

-「いま日本で受け入れられるのは、「日本の良いところを見直そう」という意見だ。つまり変わりたくないのである」

-「日本では、社会人の勉強を支援する制度がほとんどない。税制上の措置もないし、奨学金も十分ではない。企業もMBAを評価しない。エコカーの購入支援や高速道路の無料化が行われる反面で、将来のための人材育成がまったく議論されないのは、驚くべきことだ」

-「ここで「教育」というのは、主として専門分野での高等教育である。この面で日本は、アメリカに大してはもちろんのこと、中国や韓国に対しても、後れをとっている」

書籍情報


-経済危機のルーツ ―モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか | 野口 悠紀雄 | 本 | Amazon.co.jp
--http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4492395326/nilabwiki-22
-->経済学者・野口悠紀雄氏の日本経済論。1970年代以降の世界の構造変化を振り返ることで、
-->今日の日本経済停滞の原因を明らかにしていく。
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-->この40年の変化のうち特に大きいのは、冷戦の終結、1990年代に起きたIT革命と金融革命、
-->中国の工業化だといえよう。それらを経て、世界経済は資本や人的資源がグローバルに移動
-->する時代を迎えた。
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-->その中で日本は、IT革命・金融革命という変化に抵抗し、モノづくりにこだわり続けてきた。
-->日本は製造業が生み出したモノの輸出はしているが、カネとヒトのグローバルな移動という
-->観点からすると、未だに鎖国状態にある。40年間に起きた世界の構造変化に対応できていないのだ。
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-->「2007年からの金融・経済危機は企業と産業の、そして国家の、壮大な選別過程だった。
-->アメリカは危機を通り抜けて強くなったように見える。日本がこれから探求すべきは、
-->脱工業化社会への道筋だ」と著者は強調している。