「できる人」はどこがちがうのか

「できる人」はどこがちがうのか

-Amazon.co.jp: 「できる人」はどこがちがうのか (ちくま新書): 斎藤 孝: 本
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480059040/nilabwiki-22/ref=nosim/
--->今日のように社会構造が根底から揺らいでいる時代には、各自が固有の判断のもとに動くほかない。そのためには、オリジナルなスタイルをもつことが大切である。「できる人」はどのように“技”を磨き、上達の秘訣を掴んだのだろうか。スポーツや文学、経営など様々なジャンルの達人たちの“技”や、歴史の上で独特な役割を果たした人々の工夫のプロセスを詳細にたどり、新しい時代に求められる“三つの力”を提案する。

----
読書メモ

-上達の秘訣
--特定のジャンルにおける上達ではなく普遍的なもの

-上達の普遍的な論理
--基礎的な3つの力
---まねる(盗む)力
---段取り力
---コメント力(要約力・質問力を含む)
--3つの力をある程度つけ、それを活かしながら自分にあったスタイルを探し、自分の得意技を見定めて、そのスタイルへ統合していく

-「学校教育においても、逆上がりができるようになることと、算数ができるようになることと、部活ができるようになることなどは、バラバラなものとして分けられてしまっている。そこに共通の上達の論理を見出そうという意識の習慣が、そもそも希薄なのである」

-「いろいろな領域である程度まで上手くなったとしても、そこに自分のスタイルを実感することがなければ、喜びは半減する」

-世代間の伝授
--「社会構造の変動が比較的少ない時代には、親が覚えている仕事のノウハウや心構えを、そのまま子どもに伝えれば子どもは親の跡を継ぐことができた」
--「情報革命を核とした世界的な社会構造変革の波の中で、親は子に、上の世代は下の世代に、「何を伝承したらよいのか」がわかりにくくなってきている」

-大人が子どもに伝えるべきもの
--およそどんな社会に放り出されても生き抜いていける力
--現代は原始時代ではないのだから単純な生物学的な生命力だけを意味するわけではない

-生きる力
--「上達の普遍的な論理」を経験を通じて<技化>している

-一斉授業方式
--教科内容を効率良く伝達
--教師から生徒への一方向的な知識の伝達
--明治維新の学生発布と平行して欧米から導入
--産業革命と国民国家の成立
--日本でかなりの程度の成功を収めている
--まねる力を伸ばす意識を見失わせやすい

-まねる力
--近代以前の職人的な徒弟制度
---弟子があまりに早く上達してしまうと狭い社会において競争相手になってしまうのでそう簡単に仕事の秘密は教えられない
---「奉公」という言葉が示すように、上達が遅ければ大した給金も払わずに労働力として使うことができる
---いじめや抑圧を生み出しやすい権力関係

-技を盗む力
--技を盗もうとする意識によって向上する
--自分の身体で技を試行錯誤した体験の蓄積が必要

-技を盗む
--熟達している者が、トータルに見れば自分よりも未熟な者から盗む場合もある
---ひとつひとつの技術を細かく見ていけば、全体的には劣る者でも、その中のひとつは集団の中でナンバーワンというケースは稀ではない

-暗黙知と形式知の循環
--段取り力: 数人が関わる場をクリエイティブにする力
--共有

-要約力
--課題を絞り込む力。課題をはっきりさせる
--重み付け: 重要度の高いものをピックアップして優先順位をつける
--武道や芸道における型
--肝心なものを残し、その他は思い切って捨てる
---切り捨てたものが、残されているものに何らかの形で含まれているような関係を保っているのがベスト

-スポーツは上達のミニチュアモデルを獲得するのに最適
--明確なルールがあり、条件が限定されている
--上達の普遍的な論理を獲得するという点からいえば、生来の運動能力やセンスが競技力の大半を決定してしまうものよりは、練習による技術の習得が競技力を左右するスポーツのほうが意義が大きい

-パドマ幼稚園の例
--脳を活性化
--ハイテンポで脳を刺激する状態を、長時間持続させる

-感動は上達の根源的なパワー
--感動とあこがれ
--苦手なことでも耐えられる

-上達向上していくこと
-自分のスタイルを作り上げていくこと

-村上春樹のスタイルづくり
--生活のスタイルを含む
--自分自身にいくつかの細かいルールを決めていく
---基本的な生活習慣、他人とのつきあいかた、仕事の進め方

-自分のスタイルを形成
--上達の秘訣
--人は習慣の集積や癖から逃れることはできないので、それを基盤にして自分の得意技を仕上げていくのが現実的で効率が良い

-礼記「古人閑居して不善をなす」
--器の小さな凡人は暇になると良くないことをする
---暇になって余ったエネルギーの使い方がわからないから

-「学校での勉強があれほど嫌われるのは、そこに「意味」が足りないからではないか。その領域のみに閉じるのではなく、他の領域や仕事にどのようにつながっているかを説得できるコンセプトが必要なのではないか」

-nilog: 3つの力。コメント力(要約力・質問力)、段取り力、まねる・盗む力。 - 「できる人」はどこがちがうのか (ちくま新書) / 斎藤孝 (2012-05-24)
--http://www.nilab.info/nilog/?type=twitter&id=205497939827769345
--

----

-筑摩書房 「できる人」はどこがちがうのか / 齋藤 孝 著
--http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480059048/
--->この本の内容
--->今日のように社会構造が根底から揺らいでいる時代には、各自が固有の判断のもとに動くほかない。そのためには、オリジナルなスタイルをもつことが大切である。「できる人」はどのように“技”を磨き、上達の秘訣を掴んだのだろうか。スポーツや文学、経営など様々なジャンルの達人たちの“技”や、歴史の上で独特な役割を果たした人々の工夫のプロセスを詳細にたどり、新しい時代に求められる“三つの力”を提案する。
---> 
--->目次
--->第1章 子どもに伝える“三つの力”
--->第2章 スポーツが脳をきたえる
--->第3章 “あこがれ”にあこがれる
--->第4章 『徒然草』は上達論の基本書である
--->第5章 身体感覚を“技化する”
--->第6章 村上春樹のスタイルづくり