竹蓋 幸生 著 / 日本人英語の科学 その現状と明日への展望

竹蓋 幸生 著 / 日本人英語の科学 その現状と明日への展望

-日本人英語の科学 その現状と明日への展望
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4327410225/nilabwiki-22/ref=nosim/
---竹蓋 幸生 著
---1982年3月30日 初版発行

-いろんな学者/研究者の意見をたくさん載せつつ、「日本人の英語」について探求している本。

-テープレコーダーを使った観察(P39)
--発音した音を1/6秒だけ遅れて発音者に聞こえさせる
---発音器官の複雑な働き
---「聴覚の検知器はまだ前の発音が終っていないと判断し, 制御器官に次の発音を少し遅らせるようにと指令する」(P40)

-異文化間コミュニケーション(P55)

-語いの面から(P95)
--日本の学生は死語同然の難しい単語を教えられる(P96)
--原語話者の表現語彙。アメリカの普通の人は2000語以内で日常生活を送っている(古いデータ)(P99)
--日本人の英語語彙。
---中学1年生: 2005 words
---中学2年生: 4709 words
---中学3年生: 6727 words
--日本人はやさしく言えることをわざわざ難しくしゃべっている(P109)

-語法の面から(P115)
--ある工業高校の新入生を対象にした英語の基礎学力テストの結果がヒドかった(P118)
---「中学の英語教育とは何だったのか」という疑問(P119) ← 英語のできる人間が工業高校へ行くか?という気がしないでもないけど……
--教科書の誤用英語に従わないとテストで減点されてしまう現実(P120)
--教科書や英語辞典も誤用が多い。(P121)
--毎日母国語で記事を書いているアメリカ人記者が共通一次試験(昔のセンター試験みたいなもの)に挑戦したが、満点合格というわけにいかなかった。受験英語と実用英語の違い。(P121)
--絶対に言葉遣いの誤りとは片付けられない場合でも、文部省の検定で間違いと指摘される教科書(P121)。
--中学で習わない単語や文型は高校入試で使えないから不自然な問題になってしまう。(P121)

-意識の面から(P152)
--英語は好きだという学生が多いが、英語の授業は好きではない学生が多い(P153)
--学年が上がるにつれて、嫌いになっていく学生の割合が増える(P153)

-発想の面から(P163)
--言語学者の目で見た発想(P163)
---英語: 人間中心、人間の全体、所有、線形表現
---日本語: 状況中心、人間の一部、存在、場所的表現を好む、点的表現
--日本は陸の通らない社会(P166)
---欧米人が日本に来て驚くのは「理屈をいってはいかん」「理屈抜きで話そう」といわれることだという。
---情緒的で非論理的な発言、あまりものをいわない態度、間接的、自分の態度をはっきりさせない
--控えめすぎる日本人の発言は欧米人には皮肉に聞こえる(P168)

-総合的学習のすすめ(P204)
--情報源が1/3、訓練が1/3、師が1/3(P206)
---学校教育の責任は3分の1しかない。あとの3分の2は自分次第でなんとかなる。
--純粋に言葉だけで行われるコミュニケーションは7%(P206)