ヒューマン・エラーとのつきあいかた 建設現場の災害事例から学ぶ

ヒューマン・エラーとのつきあいかた 建設現場の災害事例から学ぶ

-ヒューマン・エラーとのつきあいかた 建設現場の災害事例から学ぶ
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/430601147X/nilabwiki-22/ref=nosim/
--笠原 秀樹 著

-鹿島出版会 - ヒューマン・エラーとのつきあいかた
--http://www.kajima-publishing.co.jp/cgi-local/www/search222.cgi?A=detail&isbn=isbn9784306011472&db=book
--->内容: 建設現場で長年実務に携わってきた著者が、数多くの災害事例からヒューマン・エラーに関わる話を集め、イラストを多数挿入しながら読みやすくまとめた書。誤りを続けないための意識向上や労働安全教育に役立つ一冊。
--->主要目次: ■ 第1章 ヒューマン・エラーの諸相●身近な存在のヒューマン・エラー/企業の姿勢とヒューマン・エラー/安全管理とヒューマン・エラー/マニュアル管理とヒューマン・エラー/航空・鉄道に学ぶヒューマン・エラー防止/自ら防ぐヒューマン・エラー■第2章 ヒューマン・エラーを防ぐために● 45の建設災害事例■第3章 まとめ[ヒューマン・エラーの防止と分類]

-帯には「Stop the Human Error」「人は誰でも誤りをおかすものである。誤りを続けるのは、愚か者のみである」と書いてある。

-米国では「もしかしたら」と備え、日本では「まさか」と考える。危機管理の考え方のちがい。
--高速道路の工事
---アメリカ: コンクリートブロックをすきまなく並べて作業。万一、車が現場に突っ込んでも作業者の安全を守る。
---日本: カラーコーンとパイプのバリケード。誘導員の合図でドライバーは気づく。

-人は誰でも間違える。

-1人作業をせずに、2人で作業する。
--ヒューマン・エラーを互いに早期発見し、災害を防ぐ。

-ワンアウト・チェンジ(一度の失敗で交代)
--日本には失敗を許す余裕がない。プレッシャー。

-気象特異日: 毎年高確率で特定の気象状況が現れる日
--晴れやすい日: 1/3, 1/6, 1/19, 4/5, 5/13, 8/10, 10/16, 10/23, 11/3, 11/8, 12/6
--雨の降りやすい日: 3/30, 4/8, 6/28, 7/10, 9/15, 10/13, 11/17
--台風の特異日: 9/26, 立春から数えて210日目と220日目

-経営トップの労働安全に対する理念

-墜落災害
--7割が被災者の不注意
--3割が事業者やゼネコン等の設備・計画の不備や誤り
--「作業者の不注意まで面倒を見切れない」といったある所長

-QCDS
--品質Q
--コストC
--工期D
--安全S(サービスのSとしているところがある←安全よりもサービス重視の会社はコワい)

-あなたと私の「当たり前」は違う

-学校教育で安全をカリキュラムに入れているところは少ない

-労働安全衛生法令集(安衛法)を読んでいる人が少ない

-美浜原発での必要な点検をしなかった問題

-マイケル・ポラニーの提唱した「暗黙知」という概念

-マニュアルにはうまくいく方法だけが書いてある
--失敗したときのことは書いてない

-勘と経験と度胸(KKD)はヒューマン・エラーを追い払う

-TQC(品質管理手法)ではデータに基づいた科学的分析を重視しKKDを排除。

-ファーストフード店のマニュアルは「こういう時はこうしなさい」と細部まで行動手順を決めている

-ディズニーランドのマニュアルには「こういう時にはどう考えるべきか」という行動規範が目的・形・注意として表されている。
--チケットブースのマニュアル「あなたの仕事はチケットを売ることではありません。東京ディズニーランドにおいでになったゲストと最初のコミュニケーションをとることです」

-「いらっしゃいませ」は挨拶が目的ではなく、万引き防止マニュアルの実行

-作業手順書はヒューマン・エラー防止策
--実際には形骸化。内容は教科書的で誰も読まない。

-労災隠し・リコール隠し
--組織風土

-ギャンブラーの誤謬

-労働災害の発生データを時間と発生数の関係でグラフに表すときれいなポアソン分布を描く
--交通事故などと同様な自然現象

-フィンランド症候群
--血液・コレステロール値が高かった男性1200人のうち半数に薬を投与。血液・コレステロール値は下がったが、15年間の死亡者総数を比べたら、何もしない集団のほうが死亡者数が少なかった。
---安全管理にフィンランド症候群はありえない。フィンランド症候群を言い訳にしないこと(何もしないほうが事故が少なくなるんじゃないか)。

-呼び名を変えれば、日本も変わる(かも)。: by 宝島社
--消費する -> 景気に貢献する
--公的資金 -> 失敗穴埋め金
--義務教育 -> サバイバル基礎コース
--公約 -> 虚約
--生命保険 -> 死亡保険
--遺憾の意 -> ごめんなさい
--粛々と -> 適当に
--年金 -> 幻金
--外務省 -> 害務省
--前向きに処理する -> 無視
--浮浪者 -> 路上哲学者
---この本に載っている引用文は元々の広告とちょっと違っている(間違い?)みたい。

-第2章には痛そうな事例がたくさん載っている。
--こんな感じの事例集 → マンガ災害事例: http://makoto-y.cocolog-nifty.com/