育てにくい子にはわけがある 感覚統合が教えてくれたもの

読書メモ


-感覚統合
--脳に入っている様々な感覚情報を、目的に応じて整理し、秩序だったものに構成すること
--脳に流れ込んでくるさまざまな感覚情報を『交通整理する』脳のはたらき

-日本感覚統合学会

-窓際のトットちゃん

-自覚しにくい3つの感覚
--触覚 (表在感覚): 外界との関係を調整する感覚
--固有覚 (深部感覚): 力加減、手足の動きや位置の感覚
--平衡感覚 (前庭覚): いわゆるバランス感覚

-気持ちを読み取るサイン (ノンバーバル(非言語的)コミュニケーション)
--表情
--視線・まなざし
--しぐさ・動作・行動
--発声(ことばにならない声。大きさ、トーン、抑揚などを手がかりに)
--姿勢

-クレーン行動
--指さしの代わりに、取ってほしいもののところまで相手の手を引っ張っていく

-触覚
--原始系
--識別系

-原始系
--生命維持・生存競争に必要な本能
--取り込み行動、警戒行動、防衛・逃避行動、闘争行動
--自律神経のバランス調整
--情緒的な快・不快をコントロール
--原始反射: ルーティング反射、吸てつ反射、嚥下反射、把握反射、ギャラット反射

-識別系
--目で見ずに触れたものの素材・形・大きさを識別する
--自分のからだのどの市に触れているか感知
--ソフトタッチでは識別系が働きにくい
---一定の強さや一定の面積での刺激が入らないと識別しにくい

-触覚防衛反応
--原始系の機能が暴走して、原始系優位の行動パターンに
--散髪、爪切り、耳掃除、はみがきなどをしてもらうのをいやがる
--自分から触りにいくことができても、触られたら嫌がる
--気持ちのレベルの話ではなく、生理的な症状

-情緒的コミュニケーション
--人は触れ合うことを通して心の世界を広げていく動物
---触覚防衛飯能があると共感性を学びにくくなる。親でさえ自分に対して生理的な不快刺激を与えるという体験に

-識別系を育てる
--原始系の暴走状態を抑制するだけの、識別系のはたらきを活性化させることが必要
--不快なことに「慣れる」ことも「がまん」させることも有効な手段ではない
--手探り遊び、

-固有覚
--筋肉の張力や関節の角度がわかる

-平衡感覚
--三半規管: 回転加速度を感じる
--耳石器: 直線加速度や重力加速度を感じる

-平衡感覚のトラブルで姿勢調節がうまくいかない
--姿勢の崩れ
--鉄棒の逆上がりができない
--しがみつき姿勢の維持ができない
--「だらけている」「やる気がない」と受け取られてしまう
---「姿勢の崩れ」=「気持ちのたるみ」「やる気がない」と誤解される

-多動や自閉症障害がある子どもたちの中には眼振の出にくいケースが高頻度
--クルクル回ったあとも、平気でまっすぐ走り回れる
--目が回りにくい
--動いているものを目で追うのが苦手
--平衡感覚系の遊び(ブランコなどの揺れ遊びや、ぐるぐる回って遊ぶ)を取り入れることで、平衡感覚が上がり、眼球運動が回復しやすく

-平衡感覚系の自己刺激行動
--三半規管や耳石器に強い刺激を入れるための行動
--ひとりでクルクルと回っている
--ピョンピョンと飛び跳ねる
--じっとしていることができない
--高いところに登りたがる

-平衡感覚の鈍さを改善する
--トランポリンで遊びたがっていたら、子どもの手を介助してあげながら高く飛ぶことをうながすとか、飛びながら頭上のタンバリンをたたくなど、飛ぶ高さやリズムをコントロールするために平衡感覚をめいっぱい使うような配慮を取り入れる

-自己有能感
--自分がこの世に生まれてきてよかったと思える心のはたらき
--自分を肯定的に受けとめ、自分を励まし、ほめる心のはたらき
--思春期前までにその基本形を育てていくことが大切
--自己有能感が低かったり希薄な状態にあると、自分の心のエネルギーをコントロールできない
---暴力的になったり破壊的な行動をとったりしてしまう
---不登校や引きこもり、うつの状態になってしまう

-自己有能感を育てる
--自己の存在を無条件に受けとめてくれる他社の存在
---行動だけでなく、存在そのものを受け入れられているという信頼関係
--興味・関心・好奇心にもとづく自己選択・自己決定
---自発性
---子どもが主体的に選ぶ経験を提供していく
---着る服を選ぶ、食事の際の飲み物を選ぶ
---「やらされた」ことは有能感につながりにくい
--成功体験にともなう達成感
---「うまくできない」という失敗体験を積み重ねないように配慮する
---大人でも、失敗が多くなりがちで自分が苦手なことは避けたくなる
--できたことの共有感や共感性
---「うまくできた」ことを身近な他者と共有する体験
---共感性にもとづく人間関係
---励まされる体験が必要

-ジョイントアテンション(共同注意)
--言葉を介さず相手の意志・意図を汲む
--触覚防衛反応がある子供はジョイントアテンションの世界に入れないことが多い

-発達的視点と療育的視点
--発達的視点
---自己挑戦力と自己修正力
---未学習と誤学習
---発達検査や知能テストで用いられるものさし(価値基準)
--療育的視点
---根拠となる「評価」にもとづき「仮説」を立てる
---子どもが示す状態像を把握・理解し、どのような基礎的な発達を積み上げる必要があるかの仮説を立てる
---原因仮説、方法仮説

-普通教育・普通保育
--「目標・教材が先にありき」という考えが色濃い
--自己挑戦力・自己修正力のある健常児ならば、年齢や時期を決めるだけで、能力のレベルと幅が想定できる
---だから、学校教育では学年ごとに同じ教科書を使える
---子どものほうから指導者に合わせてくれるので一斉保育や一斉授業が可能

-nilog: 固有覚(深部感覚)で、筋肉の張力や関節の角度がわかる。目を閉じていても、手に乗せたモノの重さの違いがわかる。 - 育てにくい子にはわけがある 感覚統合が教えてくれたもの 子育てと健康シリーズ / 木村順 〔全集・双書〕 http://t.co/VLL2CWLV
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-nilog: 触覚防衛反応への対応策。識別系を育てる遊びを取り入れる。生理的な不快に「慣れる」ことも「がまん」させることも有効ではない。 - 育てにくい子にはわけがある 感覚統合が教えてくれたもの 子育てと健康シリーズ / 木村順 〔全集・双書〕 http://t.co/q30Z4CUz
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-nilog: そういや僕の子どもの頃は食品アレルギーなんて学校の先生は理解してくれなかったっけ、なんて思い出す。いつまでたっても学校は似たようなことの繰り返しなのかね。 - 育てにくい子にはわけがある 感覚統合が教えてくれたもの 子育てと健康シリーズ… http://t.co/Hokgnxru
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-nilog: こういうのを躾や教育だと思っている人もいるんだろうなぁ(._.) 叱ればいい、叩けばいい、みたいな。 - 育てにくい子にはわけがある 感覚統合が教えてくれたもの 子育てと健康シリーズ / 木村順 〔全集・双書〕 http://t.co/iZ2wI2r3
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-nilog: 『育てにくい子にはわけがある 感覚統合が教えてくれたもの』をざっと再読。 「発達が気になる子どもたちの原因を理解するために」「落ち着きがない、乱暴で加減ができない、こだわりが強い、順番を待てない、姿勢が悪い、抱っこを嫌う、手をつなげない、人の話を聞けないなど、発達がちょっと気になる子どもたちが増えている。その原因のひとつと考えられている触覚防衛・重力不安・聴覚防衛など、感覚統合の不全について事例を示しながらわかりやすく解説」「出版社 : 大月書店 (2006/3/1)」「発売日 : 2006/3/1」 育てにくい子にはわけがある―感覚統合が教えてくれたもの (子育てと健康シリーズ 25) | 木村 順 (2024-02-12)
--http://www.nilab.info/nilog/?type=m01&id=111917630866229248
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-nilog: 『育てにくい子にはわけがある 感覚統合が教えてくれたもの』 固有覚、触覚、平衡感覚、原子系、識別系、ボディイメージ、ラテラリティなど。 (2024-02-12)
--http://www.nilab.info/nilog/?type=m01&id=111917642576904078
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書籍情報


-Amazon.co.jp: 育てにくい子にはわけがある―感覚統合が教えてくれたもの (子育てと健康シリーズ): 木村 順: 本
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4272403257/nilabwiki-22/ref=nosim/

-育てにくい子にはわけがある - 株式会社 大月書店
--http://www.otsukishoten.co.jp/book/b53435.html
--->発達が気になる子どもたちの原因を理解するために|落ち着きがない、乱暴で加減ができない、こだわりが強い、順番を待てない、姿勢が悪い、抱っこを嫌う、手をつなげない、人の話を聞けないなど、発達がちょっと気になる子どもたちが増えている。その原因のひとつと考えられている触覚防衛・重力不安・聴覚防衛など、感覚統合の不全について事例を示しながらわかりやすく解説。

-育てにくい子にはわけがある/Hoick OnlineShop〜保育士・幼稚園教諭のためのオンラインショップ〜
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--->目次
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--->1:「育てにくい」子どもたち
--->■そういう子は昔からいた?
--->■「育てにくい」子どもたちの変遷
--->■「育てにくさ」をつくりだす原因や要因
---> 
--->2:感覚情報の交通整理
--->■脳の栄養〜感覚情報〜
--->■感覚情報を「交通整理」する脳のはたらき
--->■感覚情報の適切な「交通整理」が「適応行動」をつくりだす
--->■「感覚」って何だろう?
--->■無意識・無自覚に使っている「感覚」
---> 
--->3:三つの「感覚」の統合とつまずき
--->■子どもたちのよき「理解者」になるために
--->■「触覚」のふたつの系統、原始系と識別系
--->■手足を自由に動かすときに使っている「固有覚」
--->■からだの傾き、回転などを感じる「平衡感覚」
--->■感覚の種別をこえた身構え反応=「感覚防衛」
--->■「ボディイメージ」と「ラテラリティ」
---> 
--->4:事例別アドバイス
--->■落ち着きのないA君
--->■ケンカがたえないB君
--->■不器用なC君
--->■よく物にからだをぶつけるDちゃん
--->■乱暴で手加減ができないE君
--->■プールを嫌がるFちゃん
--->■特定の音を怖がり、耳ふさぎをするG君
---> 
--->5:教育・保育・療育現場の方々へ
--->■育てる側の心構え
--->■子どもの「自己有能感」を育てよう
--->■中途半端なアドバイスが親子を悩ませている
--->■「発達的視点」と「療育的視点」
--->■「職人芸」にとどまらず「専門職」としての技術へ
--->■「親」の役割と「職員」の役割
--->■親の数だけ育て方がある

関連資料


-発達障害: DevelopmentalDisorder