グーグル時代の情報整理術

グーグル時代の情報整理術

-Amazon.co.jp: グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice): ダグラス・C. メリル, ジェイムズ・A. マーティン, Douglas C. Merrill, James A. Martin, 千葉 敏生: 本
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4153200093/nilabwiki-22/ref=nosim
--->内容(「BOOK」データベースより)
--->子どもの頃から失読症でものを覚えるのに苦労している私は、どのようにして認知科学の博士号を取得し、グーグルのCIO(最高情報責任者)まで務めたのか。押し寄せる情報に対処するには、まずは社会や自分自身が課す制約をうまくかいくぐって、脳にストレスを与えないことだ。また、情報はクラウドに預け、整理するのではなくて検索する術を身につけること。いま世界が注目する情報の達人が、自らの体験を交えながら、「整理術の原則」を伝授。またGメールやグーグル・カレンダーなどの知る人ぞ知る活用法も公開する。
--->著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
--->メリル,ダグラス・C.
--->元グーグル社の最高情報責任者(CIO)。タルサ大学で社会的・政治的組織について学んだあと、プリンストン大学で心理学の修士号・博士号取得。ランド研究所で情報科学を研究し、チャールズ・シュワブ副社長などを経て、2003年にグーグルに入社。CIOとエンジニアリング部門の副社長として、翌年の株式公開をはじめとする多くの分野で貢献した。その後音楽大手のEMIに移り要職を務めたのちに退社。現在は世界各地での新規ビジネスの立ち上げに参画したり、イノベーションや組織について講演したりするなど、精力的に活動して世界の注目を集めている
--->千葉 敏生
--->翻訳家。1979年神奈川県生まれ。早稲田大学理工学部数理科学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

-良書。前半は脳や社会構造の話でなかなかおもしろい。後半はgmailの使い方テクニックとか。

-従来の数学の教え方は脳の仕組みに合っていない(教え方がまちがっている)
-「脳は記憶をつなぎ合わせる傾向もある。別の時間、別の人といるときに起こった出来事を組み合わせ、別の記憶へと作り変えてしまう。これは記憶していないはずの出来事を、脳が記憶していると思い込むためだ」
-「あなたは4歳のときに起こった出来事を覚えているかもしれない。しかし、実際には、覚えているはずがない。おそらく、4歳のときにこんな出来事があった、と親に何度もいい聞かされていたので、脳が記憶していると思い込んだのだろう。しかし、実際には記憶しているわけではない。というのも、4歳の脳では長期的な記憶が形成されることはほとんど(まったくではないにせよ)ないからだ」

-脳の負担がなるべく少なくなるように生活を組み立てる

-カクテルパーティ効果

-短期記憶には最大9個の情報しか保持できない
-なるべく早く、頭の中から情報を追い出す
-いったん頭をからっぽにしなければ、短期記憶は情報であふれかえり、本当に覚えたいことを忘れてしまう

-『ながら作業』は一般的に効率を低下させる
-「会議中のノートパソコンの利用が効率を低下させていると判明すると、グーグルの一部の会議は「ノートパソコン禁止」となった。これには思わぬ効果があった。出席者は重要な用事ができると、おもむろに立ち上がって会議を抜け出すようになった」

-人間の脳は、初めて記憶したときと別の形式や文脈で情報を取り出すのが不得意。
--記憶から電話番号の5番目だけを取り出すのは難しい
---いったん記憶すると個々の数字の集まりが全体でひとつに

-符号化(エンコーディング)
--情報が短期記憶から長期記憶へ移動

-復唱(リハーサル)
--復唱によって短期記憶から長期記憶へと情報を符号化

-事実と物語
--脳は事実を簡単には吸収できない
--事実を事実そのものではなく、物語の一要素として覚える

-意思決定のキー・ポイントは目的と優先事項を把握すること

-9時5時のライフスタイル
--フレデリック・ウィンズロー・テイラーの「科学的管理法」
--テイラー・システム
--無駄な動きが少なくなるように
--動く組み立てライン。動くのは労働者ではなく、製造部品の側。工場の生産性が大幅に向上。
--「組み立てラインが機能するためには、従業員全員が同じ時刻にその場所にいなければならなかった」
--「当時は、まったく理にかなった勤務体制だった」
--将来、生徒の大半は組み立てラインの仕事に就くと考えられていたため、学校は始業時刻と終業時刻を標準化。同じ教科書や教育を提供。
--「教育に組立ラインのアプローチが導入されたことで、子どもたちは創造力を摘み取られ、“雄バチのクローン”へと変わっていった」

-「いつもそうしているからといって、そうしなければならないわけではない」

-「子どもに“トウモロコシの収穫休み”なんて必要?」
--「親の種まきを手伝えるように、アメリカの農村の学校では、春休みがあるのは当然だった」
--「生徒が収穫を手伝えるよう、夏から秋にかけても休みが設けられた」

-「「知識は力なり」が成り立っていたのは、知識が得がたいものであり、子弟制度が知識を得るための主な手段だった時代だ。しかし、安価なコミュニケーションが普及した現代、知識はすぐに広まってしまうため、力を維持するのは難しい。したがって、膨大な知識を頭の中に詰め込むのは無意味だ」
-「入手した知識を利用するスキルは、今でも重要」
-「知識を蓄積して整理し、必要なときにいつでも利用・再生できる術を身に付ける方が、はるかに効率的な戦術」

-情報が「無視できる情報」か「あとで必要になる情報」かを見極めるクセをつける
-「物理的or電子的に保管してあとで参照する情報」と「脳に記憶すべき情報」に分ける
-情報を記憶しやすいように、物語を作ったり、目的を関連付けたりして、情報に文脈をもたせる

-週1回、重要な情報を見直す時間を設けよう

-情報(行動)の大きなかたまりをなるべく小さなかたまりに分ける
--途方にくれずに済むし、記憶できる可能性も高くなる
--パターンやテーマを見つけ出し、目的に合った方法で整理できるようになる

-「グーグルははるかに巨大な企業へと成長し、出張費の清算プロセスは、数多くのデータベース入力や何度もの承認が必要な複雑な制度へと変わっていた。そして、悲しいことに、紙の利用は減るどころか増えていた」
-「多くの企業で出張の承認などにペーパーレス・システムが用いられていないのは、ペーパーレス・システムが信頼できないからでも、メリットが見出せないからでもない。変化に抵抗があるからだ」

-「グーグル社の従業員は、「自社製品を使う」よう求められている。つまり、電子メールやカレンダーなどにグーグル製品のみを使うということだ」

-(訳者あとがきから)
--万人共通の整理術はない
--「整理術の本というと、初めに「テクノロジーありき」、「整理方法ありき」のものが多いのではないでしょうか」
--整理をする人々の個性、考え方、状況がまったく無視されている場合も少なくありません
--「読者が自分なりの整理術を築くためのヒントを提供」

-Amazon.co.jp: Getting Organized in the Google Era: How to Get Stuff out of Your Head, Find It When You Need It, and Get It Done Right: Douglas Merrill, James A. Martin: 洋書
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0385528175/nilabwiki-22/ref=nosim/
--原書