ジョナサン・レセム 著 / 銃、ときどき音楽

ジョナサン・レセム 著 / 銃、ときどき音楽

-SFミステリ小説の良書。
-ハードボイルドなので?展開がそれほど早くないが、着実に真相へと近づいていく雰囲気が楽しい。真相は驚愕。
-SFミステリといっても、雰囲気はハードボイルドだし、近未来設定なのであまりSF臭さがない。
-世界設定がちょっと暗い近未来。チャンドラー&P・K・ディックみたいな。
-でてくる検問士(警察)は悪徳っぽいのばっかり(^_^; 未来社会を警察にまかせておくとこんなふうになりそう(かつての日本軍みたい)。
-進化療法: カンガルーの殺し屋とか○○○○○○の探偵とかベイビーヘッド(悲しい存在)とか、いかにもSFチックなところが楽しい。
--自分の飼っているペット(わんことかにゃんことか)が他人に勝手に進化させられたら……とか考えてしまった。
-実は二部構成になっている。第一部がけっこう長いので読んでいるときはそんなことは忘れてしまう。第一部→第二部のつなぎでちょっと驚いた。
-和訳新刊として出版されたころに雑誌(SFマガジン?ミステリマガジン?)で書評(紹介記事)を見かけたおぼえがある。そのときから気になっていて、ようやく読んだ。期待していた雰囲気とだいぶちがったが(もっとサイバーな感じかと思ってた)なかなかおもしろかったので良し。
-洋書の表紙を見ると「"Marries Chandller's style and Philip K. Dick's vision." - Newsweek」なんて書かれている。

-銃、ときどき音楽
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152080000/nilabwiki-22/ref=nosim/
--ジョナサン・レセム 著
--->近未来のサンフランシスコ。市民はカルマと呼ばれる点数減点法で管理され、感情や記憶に干渉する合法的麻薬が蔓延し、進化療法によって知能が増大した動物が人間と対等の顔をして街を歩きまわっている。メトカーフは街の片隅に事務所をかまえる、しがない民間検問士。ある朝ラジオの音楽版ニュースで報道された殺人事件の被害者は、ほんの二週間まえまで依頼人だった男だった。驚く彼のまえに他ならぬその事件の容疑者という男が現われ、自分は無実だ、真犯人を捜してくれという。気乗りしないまま捜査をはじめたメトカーフは、さっそくカンガルーの殺し屋につけ狙われるハメに…。管理社会の暗黒街をクールに歩く私立探偵ならぬ民間検問士の活躍を描いた話題作。1994年度ローカス賞処女長篇部門、ウィリアム・L・クロフォード賞受賞。

-原題: Gun, With Occasional Music
-原書の初版は1994年に出版。
-和訳本「銃、ときどき音楽」は1996年に出版。

-Gun, With Occasional Music
--http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0156028972/nilabwiki-22/ref=nosim/
--Jonathan Lethem 著