NI-Lab.

nilog:

← 前の日 2015-10-02 次の日 →
← 一年前 一年後 →
Twitter (2015-10-02)
飛ばし読みで読了。

「幼い二人の子供を残して死なねばならない無念を綴っている」

この子を残して: 永井 隆: Kindle http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B009B1NZK6/nilabnilog-22 http://twitter.com/nilab/status/649959181974245376/photo/1
飛ばし読みで読了。  「幼い二人の子供を残して死なねばならない無念を綴っている」  この子を残して: 永井 隆: Kindle
元の画像を見る
[t] 2015-10-02 23:48:39
関連するかも情報
「天才外科医ブラック・ジャック。なぜ、彼は無免許医となり、法外な治療費を請求するようになったのか。1960年代を舞台に医学部時代のブラック・ジャックを描く!!!」

ヤング ブラック・ジャック 1 : Kindleストア http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B00G9XF9QC/nilabnilog-22
[t] 2015-10-02 23:36:33
飛ばし読みで読了。

「幼い二人の子供を残して死なねばならない無念を綴っている」

この子を残して: 永井 隆: Kindle http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B009B1NZK6/nilabnilog-22 http://twitter.com/nilab/status/649959181974245376/photo/1
飛ばし読みで読了。  「幼い二人の子供を残して死なねばならない無念を綴っている」  この子を残して: 永井 隆: Kindle
元の画像を見る
[t] 2015-10-02 23:48:39
「放射線技師であった著者は過酷な業務による被曝により白血病となり、さらに長崎に投下された原子爆弾によって被爆し、妻を亡くす」「幼い二人の子供を残して死なねばならない無念を綴っている」

この子を残して: 永井 隆: Kindle http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B009B1NZK6/nilabnilog-22
[t] 2015-10-02 23:49:53
「母のにおいを忘れたゆえ、せめて父のにおいなりとも、と恋しがり、私の眠りを見定めてこっそり近寄るおさな心のいじらしさ。戦の火に母を奪われ、父の命はようやく取り止めたものの、それさえ間もなく失わねばならぬ運命をこの子は知っているのであろうか」
[t] 2015-10-02 23:50:21
「私の体がとうとうこの世から消えた日、この子は墓から帰ってきて、この部屋のどこに座り、誰に向かって、何を訴えるのであろうか」
[t] 2015-10-02 23:50:30
「私の現在が吹き飛ばされたばかりでなく、過去も滅ぼされ、未来も壊されてしまった。見ている目の前でわが愛する大学は、わが愛する学生もろとも一団の炎となっていった。わが亡きあとの子供を頼んでおいた妻は、バケツに軽い骨となってわが家の焼け跡から拾われねばならなかった。台所で死んでいた」
[t] 2015-10-02 23:51:07
「私自身は慢性の原子病の上にさらに原子爆弾による急性原子病が加わり、右半身の負傷とともに、予定よりも早く動けない体となってしまった。――ありがたいことには、たまたま三日前に、山のばあさんの家へ行かせた二人の子供が無傷で助かっていた」
[t] 2015-10-02 23:51:18
「子供は親にすがりつきたがるものである。学校から帰れば、タダイマッ、と叫んで飛びつきたかろう。しかし私に飛びついたら、脾臓はたちどころにパンクするに決まっている。それで子供たちは主治医の朝長先生から「お父さんのそばへ寄ってはいけません!」と言いつけられているのだ」
[t] 2015-10-02 23:51:38
「もう一人の親――母がおりさえすれば、この子も父をあきらめて、その母にとりすがるのであろうに、その母は亡く、母のにおいの残った遺品もなく、面影をしのぶ写真さえ焼けてしまって一枚もない」
[t] 2015-10-02 23:52:17
「全国の孤児収容所の子供の逃亡率は半分以上だとのことである。半分以上の子供たちは、逃げ出しては捕らえられ、入れられてはまた飛び出すという。ラジオや新聞で、「浮浪児狩り」という言葉が用いられた」
[t] 2015-10-02 23:52:27
「私はすでにイク子、ササノの二人の子を天国に送った。ありし日のあどけなさは今だに目から消えない。白百合の花に埋まって送られていったあの子。……あの子がその死病にかかったとき、(中略)わが子の小鼻を動かしてあえぐ様を見ては聴診器も注射器も手につかず、ただおろおろとするばかり」
[t] 2015-10-02 23:54:01
「腹を痛めた実の母の愛と、母性的愛情とはちがう。収容所の「いわゆるお母さん」がおやつにチョコレートをくれるのよりも、むかしの母が「今日は何もないのヨ」と言いながら、抱っこしてほほずりしてくれた思い出のほうがうれしいのだ」
[t] 2015-10-02 23:54:11
「大きくなったものだ。もう学校へ行くようになった。あの日、まだ五つだった。近所の子供に「うちのお母さんも死んだんだよ」と自慢していたが。何も知らなかったこの子が、もう字を習うようになる」
[t] 2015-10-02 23:54:38
「何も知らなかったこの子が、もう字を習うようになる。「あの日着ていたもんぺもいまは膝までしかない。しかもすっかり擦り切れている。それがたった一つの母の手縫いの形見だ。もう着られない」
[t] 2015-10-02 23:54:52
「「ただいまっ」 といつもの元気のいい声がした。しかし今日に限って、ばたばた駆けこんで来ない。どうしたのだろうと私は首を枕からもたげ、ガラス越しに見た。カヤノが庭へはいって来た。両手に何かを持って、一心にそれを見つめ、すり足でしずかにしずかに歩いてくる」
[t] 2015-10-02 23:55:47
「ようやく私の病室へたどりつき、おえんがわに両手に持ってきたものを置いたのを見ると、学校給食のおわんである。カヤノはおえんがわに上り、またおわんを両手に持ち上げ、ランドセルを背負ったまま病室へ入ってきた。目はやっぱりおわんから離さない。その表情も、その全身もすっかり緊張している」
[t] 2015-10-02 23:56:19
「あのネ、門を出るところで二年生におされて、こぼしたの」 「おわんの中を見ると、こぼれずに残った、わずか二口足らずのパイン・ジュースが入っていた。 「今日の給食はネ、ひと口いただいてみたら、とてもおいしかったもんだから……さあ、お父さん、おあがりよ、おいしいのよ」」
[t] 2015-10-02 23:57:06
「あの二人の子供の死が、このごろいよいよ鋭く私の良心を責める。あの当時はむしろいいことをしてやったとさえ思っていたのだが、いまではわが子のことと思い合わせて、どうも気にかかって仕方がない。どうせ死ぬべき重い症状ではあったが、私に心の底から救ってやりたいとの気持ちのなかった」
[t] 2015-10-02 23:57:28
「一人は女の子で四歳。父は戦死して、母ひとりの手で育てられていたが、その母は、原子爆弾の落ちたとき、その子をわが身でかばって伏せたまま、倒れかかった柱に頭を割られて死んでいた。子はかすり傷ひとつ負わず救い出されたのだった」
[t] 2015-10-02 23:58:06
「お母、お母と夜どおし病室にあてた土間で泣いて捜していたが、六日目から急に弱って血便を出し、熱を発した。私はそれを診察して、これはもう助からぬ、とすぐ予後を判定した。そして、この女の子は死ぬほうがかえって身の幸福だと思った」
[t] 2015-10-02 23:58:29
2015年10年02日のnilogをすべて表示する

- NI-Lab.
- Mastodon (@nilab@mastodon-japan.net)
- Twitter (@nilab)
- Timelog (@nilab)
- はてなブックマーク (id:nilab)

Web Services by Yahoo! JAPAN